中森明菜の実兄が明かす妹への思い 「本当に明菜に会いたい」

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 かくも長き不在が彼女の神秘性を高めたのだろうか。中森明菜(57)が表舞台から去って5年。にもかかわらず、いまなぜか、30年以上も前の“伝説のコンサート”が脚光を浴びている。

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 今年は明菜のデビューから40周年という節目の年である。そこへ4月末にNHK BSプレミアムとBS4Kで1989年のライブ映像を「伝説のコンサート 中森明菜」と銘打って放送したところ、大反響。7月9日に地上波で再放送されたのだ。

「デビュー8周年を記念して行われたライブで、自身の全シングル曲を披露していました。とりわけ、交際していた近藤真彦の自宅で自殺未遂する直前の時期で、絶頂期の中森明菜を象徴するライブだったのです」(音楽ライター)

歌と生き方が重なる稀有な存在

 圧倒的な歌唱力でファンの心をわしづかみにした明菜。人気の理由について、音楽評論家で尚美学園大学副学長の富澤一誠氏は、

「同世代に松田聖子がいることが大きかった」

 と、「ライバル」の存在を指摘する。

「聖子は清純派で明菜はどこか闇を抱えている。光と影といった感じです。二人とも作られた世界観は違うけれど、明菜はよりスキャンダラスに歌と生き方が重なり合っている。そこは稀有な魅力だと思います」

 また、コラムニストでアイドル評論家の中森明夫氏はこう言う。

「自殺未遂した89年の年末に近藤真彦とともに会見してから、中森明菜は歌手として難しい感じになったと思います。ただ、80年代というのは特別な時代で、毎日のように歌番組があり、アイドル全盛時代でした。そこで10年近くトップを張ってきたので、いまの50代にとっては彼女の歌が青春時代とリンクして、忘れられない思い出になっているんですよね」

「明菜が元気に…」

 その明菜はいま、所属事務所の社長が所有する都内のマンションで暮らしているという。だが、時間の経過は彼女のみならず家族にも変化をもたらしていた。

 実父が住む東京・清瀬市の明菜の実家を訪問すると、門扉が固く閉ざされていた。

 近隣住民に聞くと、

「最近はお父さんの姿を見なくなりました。昨年の秋には“明菜が元気にやってくれてるといいんですけれど”と話していたのですが」

 明菜の実兄は中森家の近況をこう語る。

「88歳の父はいま入院しています。骨折の治療や認知症も進んでいるため、これ以上独り暮らしをさせられないと、あと3カ月ほどしたら、介護付き老人ホームに入居する予定です。明菜のマネージャーは“(明菜が家族と)会いたくないと言っている”と、母が亡くなった二十数年前から一度も会えていません。互いにいい年になりましたし、本当に明菜に会いたいです」

 不動の人気と、家族との断絶。40年を経ても陰を感じさせる歌手であることに変わりはなかった。

週刊新潮 2022年7月14日号掲載

ワイド特集「天の川の『難破船』」より

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