土偶と呼ばれた元祖ぽっちゃりグラドル 「水樹たま」が語る“ありのままで生きる私”
転機となった「東スポ」報道
水樹にとって転機となったのは2013年、東京スポーツに「正月太りのグラドル」として報じられたことだった。年末年始に毎日餅を10個、夜はケーキを食べることを繰り返し、新年会での中華のフルコース後に一人焼き肉を食べに行くなどの暴飲暴食を繰り返した結果、体重は5キロ以上増加した。
ネット上にこのニュースが公開されると「かわいい」「このくらいの体型でよい」など反響は大きく、Yahoo!ニュースのランキングでも数日間1位を獲得した。さらにこのニュースをきっかけに、日本テレビ系「有吉反省会」に出演。有吉弘行に「土偶アイドル」と名付けられブレイクを果たした。
「体型について、マイナスに思ったことないんですよ。正月太りも土偶も傷ついたりしたことはなく、むしろ“おいしい”と思っていました。なんの変哲もないぽっちゃりだった私にキャラクターをつけてもらった。だからラッキーだし、すごくポジティブに捉えていました」
今よりも誹謗中傷が多かった時代、水樹にも「デブ」「痩せろ」などの心ない言葉を浴びせる人間も少なからずいた。だが、いざぽっちゃりした体型が売りとなると、状況が一変する。
「痩せてる時は『誰だ? このデブ』とか、ネット上で言われていたんですけど、太って本当にデブになったら誰もデブって言わなくなった(笑)。キャラとして確立できたことで、すごく生きやすくなりました」
スリーサイズのウエストも以前は59センチと書いていたが、この頃から72センチと正直に書くようにした。
「グラドルのスリーサイズは男性の夢と希望だと思っていたので59センチと書いていたんですが、土偶アイドルと言ってもらえるようになってからは、明らかに59センチじゃないし、さすがに夢と希望にも限度があるよねと72にしました(笑)。でも、こう見えて一番細い頃は本当にウエストが56センチだったんですよ」
テレビでの露出に加え、太っていても明るいキャラが受けて、男性だけでなく、女性のファンも増えたのもうれしかった。
「ある女性のファンからは『太って嫌だと思っていたけれど、たまちゃんがすごく楽しそうにしているので元気が出ました』と言われました。2010年代前半は太っている=よろしくないことというイメージがあったと思うんですけれど、それが少しでも変えられてよかったです」
それまで仕事はグラビアが中心だったが、土偶アイドルとなったことでバラエティー番組の出演も増え、ぽっちゃり女子向けのファッション誌「la farfa」でファッションモデルも務めた。
「映画やドラマにも出させていただけるようになった。今度公開の映画に出演します。仕事の幅はずっと広がったと思います」
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