ラスベガスで破産した「京大卒ギャンブル系YouTuber」の告白「借金はポーカーで返します!」「家族は応援してくれている」

国内 社会

  • ブックマーク

「すべてを失ってもいい」

 周囲に隠してきたが、これまでの獲得賞金は累積していた借金返済や博打ですべて消費。ずいぶん前から自転車操業状態に陥っていたのだ。ラスベガス遠征資金も自費だけでは足りず、「出資者などから借りた金だった」と打ち明ける。

 しかし、中村さんは“オケラ”になっても、どうしても挑戦したいトーナメントがあった。彼は金の算段が着く前からTwitterのフォロワーに向けてこう宣言していた。

〈 26日のPoker Players Championshipというポーカーの天下一武闘会のようなトーナメントに出ます!〉

「僕はこれに人生を賭けていたんです。あの瞬間には、そのトナメが人生のすべてだった。出られないんだったらすべてを失ってもいいくらいの気持ちでした。大金を掴みたいという金銭欲ではありません。名誉を掴みたかったのです!」

 とは言うが、この「天下一武闘会」は参加費が5万ドル(約680万円)もする超ハイレートなトーナメントだ。そこで彼は、海外で活躍する有名ポーカープレイヤーたちに出資を募った。

 ポーカー大国アメリカでは、参加費を出す代わりに賞金の一部を配当として受け取る出資が、当たり前のように行われているという。中村さんの実績を信用したアメリカ人有名ポーカープレイヤーら5人が出資に応じてきた。だが、かき集められたのは3万ドル。あと2万ドル足りなかった。

「というより、もともと残りの2万ドルを出してくれると言っていた人が、土壇場で翻意してしまったのです。朝5時くらいまで話し合いを続けましたが、首を縦に振ってくれなかった」

3万ドルを握りしめ……

 そこで彼の中で理性の糸がプツリと切れてしまったというのだ。

「もういいやって気分になって。(天下一武闘会に)参加できないなら破滅してやろうって……。2万ドルの出資に同意してくれなかった人への腹いせもありました。“あなたが払わなかったせいで、俺は破滅しました”みたいな。まあ、仕方のないことではあったんですが……」

 身勝手極まりなことをさらりと言いのける中村さん。そして、彼は3万ドルを握りしめバカラテーブルへと向かったというのである。

 同じギャンブルでも、バカラとポーカーはかなり性質が違う。ポーカーは運にも左右される頭脳ゲーム。一方、バカラは運がすべての丁半博打だ。

 これで人生終わればいいーー。中村さんはそう思いながらバカラルームへと足を踏み入れた。

「ディーラーとサシの勝負でした。ちびちび張っても意味がありません。破滅するか天下一武闘会に出場するか、どちらかしかなかった。最初に1万ドルを『バンカー』に張りました。僕の数字は6で決して悪くはなかったのですが、ディーラーが開いた目は7でした」

次ページ:とりあえず寝た

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。