カジノで106億円熔かした「大王製紙元会長」が再び手記出版 亡父への思いと社長のクーデター
父への贖罪
このほど、大王製紙の元会長、井川意高(もとたか)氏(57)が手記『熔ける 再び』を出版した。前作『熔ける』では、何不自由のない境遇にありながら、ギャンブルに囚われ、塀の中へと転落するまでの半生が描かれている。その続編を綴ったのは、いかなる目的があったのか。
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106億8000万円をギャンブルで熔かした井川氏は、2011年11月、東京地検特捜部に逮捕された。損失の穴埋めに、大王製紙の関係会社7社から総額55億3000万円を不正に借り入れ、損害を与えたとして会社法違反(特別背任)に問われたのである。13年6月に懲役4年の実刑判決が確定し、16年12月まで服役生活を送った。
井川氏曰く、
「再度、手記を書くことにしたのは亡き父、井川髙雄への贖罪が主な目的でした。私が事件を起こし、会社の従業員や株主には多大なる迷惑をかけました。むろん、家族にも犠牲を強いた。とりわけ、仕事一筋で大王製紙の“中興の祖”とも呼ばれた父は、私のせいで顧問を解任され、会社から離れざるを得なくなりました」
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