安倍元首相を暗殺した山上容疑者が恨み骨髄だった「旧統一教会」 家族が信者になったことで「本当に家族がバラバラになりそうになった人」の話（その2）
壺などに預金700～800万円を費して
7月8日、参院選最終盤で街頭演説中の安倍晋三元首相（享年67）を銃撃して殺害した山上徹也容疑者（41）は、その動機として母親が入信する世界平和統一家庭連合（旧統一教会）に多額の寄付をした結果、「破産し、家族がバラバラになった」と供述している。かつて、今回のケースと同様に家族がこの教団に入信して多額のお布施をしたことで「家族がバラバラになりそうになった」Aさんから話を聞くことができた。
【写真を見る】36年前、昭恵さんとの結納を済ませた安倍晋三元首相。当時32歳。
これまでの流れを振り返っておこう。
山上容疑者は「旧統一教会を日本に招き入れたのは岸信介元首相で、国内でそれを拡大させたのが安倍元首相だと信じていた。母親がこの教団にカネを注ぎ込みすぎて家庭が壊れた。絶対に許すことはできなかった」「教団トップを襲うことが現実的ではなかったため、ターゲットとしやすい安倍元首相に狙いを定めた」と語っている。
かつて旧統一教会に入信した自身の姉が、教団側の手がける壺などに預金700～800万円を費消した結果、「家族がバラバラになりそうになった」というAさんの告白を前回に続けてご紹介しよう。
韓国の片田舎の農村で合同結婚式
「姉が旧統一教会に入っていることがわかった後、ではこれからどうするかというのを話し合うことになりました。今はどうなのかわかりませんが、あの頃はキリスト教系の教会の方々が脱会作戦の一翼を担っており、彼らがそのやり方を指南してくれるような形でした」
前回の記事でもお伝えしたように、Aさんの姉は韓国での結婚式に旅立つことが決まっていた。
「いわゆる合同結婚式というもので、何とかこれを阻止したかったんですが、残念ながら叶わず。韓国の片田舎の農村で一度も会ったことがない人と結婚し、しばらくして日本に戻ってきていましたね。相手の方はずっと韓国にいてほしいと願っていたようなことを言っていましたが、それをうっちゃって帰国したようです。結婚式の写真を見せられたように記憶しています」
帰国後も教団施設に出入りを続ける中、Aさん家族とこれを支援する人々は脱会作戦に舵を切ることになる。
「姉は数ヶ月に一度は実家に帰ってくることになっていて、その前に必ずそのことを知らせてきていました。完全に実家と断絶していないことをアピールする意味合いもあったということです。それで、“今度はこの日に帰ってくる”と伝えてきたタイミングで“身柄を確保”しようということになりました」
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