安倍元首相の国葬案に賛否両論 吉田茂という前例も“高いハードル”
日本人の知恵
戦後の日本でも、昭和天皇(1901~1989)は国葬が行われたが、反対論は極めて少なかった。岩井氏は、そこに日本人の「政治センス」が読み取れるという。
「アメリカで大統領経験者が国葬の対象になるのは、かつて国家元首の地位にあったからでしょう。日本で国家元首的な存在といえば、首相よりも天皇陛下のほうが相応しいと考えられます。日本統合の象徴である天皇陛下は国葬を行うが、政治権力の持ち主たる首相に国葬は行わないという前例の積み重ねは、日本人の多くが納得する“規準”になっているのではないでしょうか」