安倍元首相の国葬案に賛否両論 吉田茂という前例も“高いハードル”

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 安倍晋三元首相(享年67)が射殺された事件で、共同通信は11日、「外国要人の来日、弔問相次ぐ 安倍氏死去で通夜、自宅に」の記事を配信した。(一部、敬称略)

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 記事から外国要人の動向を紹介する。

◆アントニー・ブリンケン米国務長官(60)が岸田文雄首相(64)を官邸に表敬訪問。安倍元首相への弔意を伝達した。

◆ジョー・バイデン米大統領(79)の手紙が遺族に渡された。

◆台湾の頼清徳副総統(62)が遺族の自宅を訪れた。

◆ドナルド・トランプ前米大統領(76)が葬儀参列を検討していることを明らかにした。

 安倍元首相の家族葬は、11日が通夜、12日に葬儀という日程で、いずれも増上寺(東京都港区)で行われた。担当記者が言う。

「新聞各紙やテレビ局は、後日、東京と山口で“お別れの会”が開かれる予定だと報じています。一方、自民党の国会議員などを筆頭に“国葬”の検討を求める声もあり、それについて記者団から問われた岸田首相は、『敬意を表してしっかりとした対応を考えていく』との回答にとどまり、明言は避けた格好です」

 国葬の賛否を巡り、ネット上では激しい議論が起きている。特にTwitterでは、賛成派が「#安倍さんを国葬に」、反対派が「#安倍晋三の国葬に反対します」のハッシュタグを付けて多数の投稿を行っている。まさに“百家争鳴”という事態なのだが、ここで双方の主張を紹介しておこう。

国葬は無理!?

【#安倍さんを国葬に】

《安倍さんは日本のために尽くしてくれた方。国葬にしてほしい》

《これだけ世界の首脳に愛された総理大臣なんて他にいるでしょうか? しないと世界中に笑われますよ》

《今後暗殺なんてのを流行らせない為に、国葬で弔意を示しておくのも大事だろう》

【#安倍晋三の国葬に反対します】

《人間性や射殺された事実と政治的功罪は切り分けて考えるべき》

《政治家の葬儀に税金を使わねばならない理由は無いはず》

《国葬の賛否じゃなくて、国葬にする基準が明確になっていないことに違和感を感じるかな 本人は国葬にすることを望んだのかどうか》

 6つのツイートは、いずれも一理ある。だからこそ激しい議論になっているのだろう。

 しかし、結論を先に言えば、安倍元首相の国葬には、相当に高いハードルが存在することは間違いない。

「例えば、アメリカの大統領経験者は、どのような亡くなり方であっても国葬の対象者となります。在任中に射殺されたジョン・F・ケネディ(1917~1963)も、同じく在任中に暗殺未遂事件で重傷を負い、その後、肺炎で93歳で死去したロナルド・レーガン(1911~2004)も、テロ事件に巻き込まれることもなく94歳で亡くなったジョージ・H・W・ブッシュ(1924~2018)も、いずれも国葬が行われました」(同・記者)

 例外は、ウォーターゲート事件で辞任したリチャード・ニクソン(1913~1994)だ。

 ニクソンは脳卒中などにより81歳で死去したが、アメリカ大統領として唯一、自ら辞職したことや、本人が生前に示していた意志などに従い、国葬は見送られた。

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