凶弾に倒れた安倍元総理に「旧・統一教会」被害弁護団から届いていた“警告書”と、いまなお続く4つの「献金返還訴訟」

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いまも起こされている民事訴訟

 会見で同連合は、山上容疑者自身は信者でないものの、母親が98年頃に入信した「信者」であること、そして母親から献金を受けていたことは認めた。しかし、具体的な献金額については「調べ切れていない」として回答を避け、容疑者の母親が02年に「破産」したことも「事件後に把握した」と答えている。

「高額な献金などによって崩壊した家族の苦しみは筆舌に尽くしがたいものがあります。その現実を直視していないような田中会長の会見内容には憤りすら覚えました」(山口弁護士)

 同連合による違法な勧誘で高額な献金などを強いられたとして元信者3人が損害賠償を求めた訴訟で昨年3月、東京地裁は連合側に1億1600万円の賠償を命じる一審判決を言い渡した。

 また09年には高額な印鑑などを売りつける「霊感商法」で逮捕者を出し、当時の会長が辞任。旧統一教会時代には教祖が夫婦の縁組を決め、見知らぬ信者同士を結び付ける「合同結婚式」をめぐるトラブルが社会問題化したこともある。

 山口弁護士が指摘する。

「連合側は会見で“09年以降はコンプライアンスの徹底を進めている”と話しましたが、私たちのもとにはいまも被害相談が寄せられています。まるで“問題がなくなった”かのような口ぶりでしたが、同連合に対しては現在進行形で高額献金の返還などを求める民事訴訟が複数提起されてもいる。また韓国本部から通達された今年の本部への献金目標額は“100億円”と聞いており、同団体が内包する問題の本質はいまも大きく変わっていないとの認識です」

「献金ノルマ」の有無

 同連合に事実確認を求めると、広報担当者が以下のように回答した。

 まず、連合側が被告となっている訴訟について、

「現在、献金の返還請求などを内容とした民事訴訟が4件あります」

「100億円」の“献金ノルマ”に関しては、

「そのような事実はありません」

 と否定したが、

「当連合は世界192か国に拠点があり、それぞれが(韓国本部を)支援しているのは事実です」

 と、日本で集められた献金が“支援”金の名目で、本部へと流れていることは間接的に認めた。

 捜査に全面協力する姿勢を見せている世界平和統一家庭連合。事件の全容解明に拍車のかかることが期待されている。

デイリー新潮編集部

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