凶弾に倒れた安倍元総理に「旧・統一教会」被害弁護団から届いていた“警告書”と、いまなお続く4つの「献金返還訴訟」

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 安倍晋三元総理(67)を銃撃して殺害したとして7月10日、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)。奈良地検は刑事責任能力の有無を調べるため、鑑定留置を行う方針を固めている。一方で、容疑者が事件の動機の核心部に挙げた「世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)」が記者会見を開き、新たな波紋が広がっている。

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 これまでの供述で「母親が(世界平和統一家庭連合の)信者でのめり込み、多額の献金で破産して恨みがあった。安倍元総理が(同連合を)国内で広めたと思い込んで狙った」と、動機について話した山上容疑者。

 事件を受け、同連合の田中富広会長は11日、東京都内で記者会見を行い、「(安倍氏が)会員や顧問になられたことはない」としながらも、「友好団体が主催する行事に安倍氏がメッセージを送ったことはある」と説明した。

 実際、容疑者も「(同連合の)代表らが設立したNGOの集会に寄せられた安倍元総理のメッセージを見て、繋がりがあると思った」と供述するなど、安倍元総理と同連合の関係が焦点のひとつに浮上している。

 実は両者の繋がりについては昨年、全国霊感商法対策弁護士連絡会が安倍元総理に宛てた「公開抗議文」のなかで、すでに指摘されていた。

「安倍先生にとって決して得策ではありません」

 2021年9月17日付の同抗議文にはこう記されている。

〈安倍先生が、日本国内で多くの市民に深刻な被害をもたらし、家庭崩壊、人生破壊を生じさせてきた統一教会の現教祖である韓鶴子総裁(文鮮明前教祖の未亡人)を始めとしてUPFつまり統一教会の幹部・関係者に対し、「敬意を表します」と述べたことが、今後日本社会に深刻な悪影響をもたらすことを是非ご認識いただきたいと存じます〉

 さらにこう続く。

〈安倍先生が今後も政治家として活動される上で、統一教会やそのフロント組織と連携し、このようなイベントに協力、賛助することは決して得策ではありません。是非とも今回のような行動を繰り返されることのないよう、安倍先生の名誉のためにも慎重にお考えいただきますよう強く申し入れます〉

 抗議文を公開した全国霊感商法対策弁護士連絡会の代表世話人のひとりである山口広弁護士がこう話す。

「事件そのものは決して許されるべきものではありませんが、(容疑者が供述で話した)多額の寄付などで家庭崩壊したケースを数多く見てきた私からすると、非常に複雑な思いにとらわれざるを得なかったのも事実です」

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