安倍元首相を暗殺した山上容疑者の動機「旧統一教会」への恨み 家族が信者になって「本当に家族がバラバラになりそうになった人」の話(その1)

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同様に家族が入信して多額の寄付を

 7月8日、街頭演説中の安倍晋三元首相(享年67)を銃撃して殺害した山上徹也容疑者(41)は、その動機として母親が入信する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額の寄付をした結果、「破産し、家族がバラバラになった」と供述している。かつて、今回のケースと同様に家族がこの教団に入信して多額のお布施をしたことで「家族がバラバラになりそうになった」人から話を聞くことができた。

 山上容疑者は奈良県警の取り調べに対し、「旧統一教会を日本に招き入れたのは岸信介元首相で、国内でそれを拡大させたのが安倍元首相だと信じていた。家庭を壊した旧統一教会を許すことはできなかった」などと語っているという。

 他方、教団のトップである田中富広会長は11日に会見し、「山上容疑者の母親が信者であること」「過去に経済的に破たんしたこと」を認めたうえで、多額の寄付をして破綻したことが犯行の動機だとしたら「重く受け止めないといけない」と述べた。

 今回の件について、かつて家族がこの教団に入信していたというAさん(40代)は、

「山上容疑者の人生がこれまでうまく行っていなかったとして、そのことを他人や社会のせいにし、さらにそれをターゲットにするというのは許しがたいことだと思います」

 としたうえで、以下のように続けるのだった。

とてもマジメな公務員の姉

「ただ、家族が旧統一教会に入信していた立場から言うと、山上容疑者のようにならなかったとしても、仮に自分の人生がうまく回っていなかったとしたら、あの教団のせいにしていた可能性がなくはないなって思いました」

 1970年代に関西地方で生まれたAさんは、いずれも公務員の両親・姉と4人暮らしをしていた。

「取り立てて裕福でも貧乏でもなく、どこにでもある家庭だったと思います。姉はとてもマジメで控えめなタイプ。引っ込み思案というわけではないですが、何事にも自信がない印象はありましたね」

 Aさんの姉は地元の大学を卒業して公務員として忙しい日々が続いていた。1990年代の話だ。

「彼女が25歳とかそれぐらいのころだったと記憶していますが、“予定外の外泊”がちょくちょく増えていきました。そういうことが続いたあとに、“1人暮らしをする”と言って実際そうしたんですね。ボーイフレンドがいるとかそういうことではなく、“そろそろ自立しなければ”みたいなことを言っていました。ただ、何と言うか動きが急な感じだったし、“あまり家には来ないで”というような態度だったこともあり、両親はあんまり賛成していませんでしたね」

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