大阪・2歳女児虐待死 異常なスパルタ教育の実態と実父によるDV
実父によるDV
なぜ優陽ちゃんは、かような大人たちに預けられることになったのか。
地元記者が解説すると、
「2020年の1月、優陽ちゃんの実父である小野容疑者の三男は、妻に対するDVで、我が子にも精神的トラウマを与えたとして大阪府から『心理的虐待』の認定を受けますが、その後に夫婦は別居。以降、実父は土建屋で働き、優陽ちゃんの面倒は実母ではなく小野容疑者がみることになったのです」
実母と引き離された優陽ちゃんの苦難は続く。
「2年前、自宅で入浴中に優陽ちゃんは溺れて心肺停止となります。原因は小野容疑者がぐずる五男の面倒をみるため、ほんの数分、浴室から目を離してしまったことでした。救急搬送で一命は取り留めたものの、通報を受けた富田林市は児童福祉法上で虐待を受けた子供が認定される『要保護』扱いにして、見守り対象にしました」
「スパルタ教育」
実際、現場となった団地では異変を感じる者もいた。
小野容疑者と同じ棟に部屋を持つ住民に尋ねると、
「びっくりしたのが、小野容疑者と桃田容疑者の二人が、夜半に団地の3階の部屋までの階段を、優陽ちゃん一人で登らせていたんです。“早よ登り”ってけしかける感じで、スパルタ教育でもしているのかと思ったほどです。いつ見ても優陽ちゃんの体の大きさは変わらないし、どうも変だなとは感じていたのですが」
さらにはこんな近隣住民の声も聞こえてくる。
「今年の5月頃、私が車を運転していたら、路上に優陽ちゃんがフラッと出てきて危うくひきそうになったことがあったんです。傍にいた人が小野容疑者に“ちゃんと見て!”と言っていたんですが、“ああ……”と、まるで人ごとのように反応が薄くて。私も娘がいるからわかるんですけど、2歳の子供に対する気配りが、感じられませんでした」
小野容疑者は住民のあいさつにも蚊の鳴くような声で返し、愛想が悪いとの印象を持たれていたそうだが、実はこの頃、富田林市へ子育てについて悩んでいると何度か相談に訪れていた。
「6月末にも子育て支援施設の見学と相談を受けることになっていたのですが、直前でキャンセルされています」(市の担当者)
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