大阪・2歳女児虐待死 異常なスパルタ教育の実態と実父によるDV

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“水をかけろ”

 室内の温度が上昇していたのにはわけがあった。

「取り調べで両容疑者は、部屋の窓を開けっぱなしにして外出したと証言しているそうです。万が一、空調が壊れた場合を考慮したのかもしれませんが、これではいくら冷房を効かせても熱風が入り込み、室内は炎天下の野外と変わらない。女児が放置された団地の部屋は北東に位置する8畳の洋間で、3階ということもあり朝から太陽の光がガンガンと降り注ぎ、みるみる室内の温度が上がっていったと考えられます」(同)

 まさに灼熱の座敷牢ともいえる場所に取り残された優陽ちゃん。その変わり果てた姿を発見したのは、午後4時過ぎに帰宅した四男(15)だった。

 捜査関係者が明かすには、

「うつぶせになって吐血した優陽ちゃんを発見した彼は、急ぎ小野容疑者に電話をします。そこで初めて事の重大さに気づいた両容疑者は、四男に“水をかけろ”と指示。慌てて帰宅し119番通報しますが、救急隊員が到着した時は心肺停止状態で体は硬くなっていたそうです」

こっちに用はない!

 最終的には搬送先の病院で死亡が確認されたわけだが、一連の経緯の中で気になるのは、優陽ちゃんの両親の姿が一切見えないこと。ここに事件が起きた鍵となる「いびつな家族」の光景が見てとれる。

 掲載の家系図を参照すれば、もともと優陽ちゃんの実父は小野容疑者の三男(20)で、祖母が孫の面倒をみる中で起こった事件であるということが分かる。

 ポイントとなるのは、現場の団地には両容疑者と優陽ちゃんの他、小野容疑者の四男と五男、合わせて5人が同居していたことだ。前夫との間に4人の子供をもうけた小野容疑者は、離婚後に桃田容疑者と内縁関係となり、今回USJに連れて行った五男を産む。桃田容疑者からすれば、優陽ちゃんは同棲相手の孫で血のつながりはなかったわけだ。

 桃田容疑者の実家は大阪府内でも有名な鶏卵業者で、そこで彼は会社の役員を務めていたという。

 実家近隣の住民曰く、

「この辺では有名な会社で、大手のスーパーなんかに卵を卸しているかなりの資産家です。たしか桃田さんのところの倅は結婚したと聞いていたけど、まさかこんな事件になるなんて」

 桃田容疑者の実家では、彼の実父と思しき男性が、

「こっちに用はない!」

 と言うばかりで、高級外車でその場を後にした。

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