永野芽郁、町田啓太、竹内涼真……注目の7月期ドラマ3選、第1話から今後を占う

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フジテレビ「テッパチ!」

 劇団EXILE所属の町田啓太(32)が主人公の自衛官候補生・国生宙に扮する。いい加減でチョイ悪だった宙が、一人前の陸上自衛官になるまでの成長物語だ。

 宙は高校時代、ラグビー部の花形選手だったが、足にケガをして引退。途端にチームメイトから相手にされなくなる。協調性がないので、もとから嫌われていたのだ。

 高卒後に働いていた工事現場でも疎まれた。やはり協調性ゼロなのが理由だった。そのうえヤンキー・荒井竜次(佐藤寛太、26)とケンカをして警察沙汰になったことからクビになる。

 家賃を滞納したためにアパートも追い出された。母親に泣きつこうかと思ったものの、再婚して別の家庭を持っているため、頼れなかった。ツッパっていたが、独りぼっちだったのだ。

 そんな宙に路上で声を掛けてきたのが、北村一輝(52)が扮する陸自教育隊の八女純一だ。

「寮完備で3食メシ付き。おまけに体力自慢のおまえにはもってこいだ!」(八女)

 自衛隊の路上スカウトは本当にある。こうして宙は自衛官候補生になるものの、やっぱりツッパったまま。やはり候補生になった荒井と殴り合いになる。

 その場に居合わせた防衛大卒のエリート教官・桜間冬美(白石麻衣)はカンカン。

「仲間と争うような人間はいらない! 自衛隊は組織で動く」(桜間)

 全くもってその通り。だが、宙は反省せず、候補生を辞めようとした。すると今度は八女から厳しい言葉をぶつけられる。

「人のせいにすんの好きだな、おまえ」(八女)

 そう、宙は常に自分の非を認めず、周囲のせいにしていた。他人と折り合う努力をしてこなかったのである。

 このドラマは新しい。防衛省の全面協力下、候補生たちの日常が初めて生々しく描かれる点だけではない。近年のお仕事ドラマの論調は多くが「一人ひとりの個性最優先」だったが、このドラマは「協調性第一」なのである。

 自衛隊の物語だから当然ではあるものの、現実に企業が求めるのもまず協調性。どんなに能力が高かろうが、身勝手な社員は歓迎されない。リアルで新鮮なドラマだ。

 桜間以外、女性がほとんど登場しないところも面白い。視聴者ニーズに合わせて男女バランス良く登場させる既存のドラマと違う。現実の自衛隊も圧倒的に男性多数(約9割強)なのだから、無理に女性を登場させることはない。

 カギを握るのは脚本。原作がなく、過去に類似作も存在しないうえ、現実の候補生たちの姿と懸け離れてしまう訳にもいかないから、簡単ではないはずだ。

※関東 世帯7.6% 個人4.2%

※関西 世帯11.5% 個人6.2%

※東海 世帯11.9% 個人6.0%

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