永野芽郁、町田啓太、竹内涼真……注目の7月期ドラマ3選、第1話から今後を占う
7月期の連続ドラマが相次いでスタートしている。先週(3~9日)は3本始まった。TBS「ユニコーンに乗って」、(火曜午後10時)、フジテレビ「テッパチ!」(水曜午後10時)、テレビ朝日「六本木クラス」(木曜午後9時)である。この3本の第1話を振り返り、併せて今後を占ってみたい(視聴率はビデオリサーチ調べ)。
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TBS「ユニコーンに乗って」
主演は永野芽郁(22)。西島秀俊(51)が準主演を務める。
この放送枠(「火曜ドラマ」)は教科書どおりのラブコメが目立つが、今回は一味違う。永野が演じる主人公・成川佐奈が夢を追い掛ける姿が軸。TBS側は「大人の青春ドラマ」と謳っている。なるほど、青春とは夢を失っていない時期のことなのかも知れない。
佐奈は教育アプリを手掛ける新興企業「ドリームポニー」のCEO(最高経営責任者)。カリスマ起業家・羽田早智(広末涼子、41)の大学での特別講演を5年前に聞き、刺激を受けたことから、自分も3年前に起業した。
佐奈はこの大学の正規の学生ではなかった。勝手に授業に出るモグリ学生だった。母子家庭で育ち、経済的に余裕がなかったため、高卒でアルバイト生活を送っていたのだ。ドリームポニーを興した理由も「全ての人が平等に学べる場をつくるため」。学びたくても学べなかった自分のような人をなくすためだった。
だが、現実は厳しく、会社は伸び悩んでいた。融資元のベンチャーキャピタルからは「このままでは潰れる」と通告される始末。
佐奈は会社を躍進させるため、新人を2人採用する。1人はコミュニケーション能力ゼロながら天才プログラマーの森本海斗(坂東龍汰、25)。もう1人が不祥事の責任を1人で取って銀行を辞めた小鳥智志(西島秀俊)だった。
小鳥は大学の教育学部出身。ずっと教育事業をやりたかったという。佐奈が会社を興した理由にも大いに共鳴してくれた。性格もマジメで素直だ。だが、48歳。佐奈は26歳で、ほかのメンバーも全員20代だから、どう考えたって扱いにくい。周囲は採用に猛反対した。そりゃそうだろう。
けれど佐奈はこう言って入社させる。
「私は同じ夢を持つ人と一緒に働きたい」(佐奈)
広く共感されそうなセリフだった。
小鳥のセリフもきらりと光っていた。スタートアップ企業(新しく設立されたばかりの企業)が潰れる1番の理由を佐奈にこう説いた。
「CEOがあきらめてしまうから」(小鳥)
起業家以外にも当てはまる言葉に違いない。成功できない最大の原因はあきらめてしまうからだろう。大北はるかさんによる脚本には教訓的なセリフが多かった。構成とテンポも良い。
佐奈は夢の実現に向かって突き進む女性役ながら、パワフルなタイプではなく、ナイーブ。そんな佐奈を支えるのが同社の技術責任者の須崎功(杉野遥亮、26)だ。
須崎は佐奈が入り込んでいた大学の学生だった。大手不動産グループ経営者の1人息子ながら、佐奈の起業を助ける道を選んだ。佐奈のことが好きなのが第1話でバレバレになった。
一方、好青年ならぬ好おじさんの小鳥も年齢差を超えて佐奈に恋愛感情を抱くのか。いつもながら西島はピュアな中年男役が似合う。
ドラマの成否のカギを握るのは早智を演じる広末に違いない。ドライな早智は自分に憧れている佐奈に遠慮のない言葉を浴びせる。時には傷つける。2人のやり取りが今後の大きな見せ場になるはず。広末の演技が注目される。
連ドラの第1話の視聴率はPRの成果に大きく左右されるが、参考までに記したい。地域差があるので、関西地区と東海地区も併記する。
※関東 世帯8.7% 個人4.8%
※関西 世帯9.3% 個人5.4%
※東海 世帯9.3% 個人4.9%
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