「円安」「物価高」を放置する岸田首相 「節電ポイント」で高齢者の命が危険に

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 エネルギー政策に詳しいキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏が「そもそも論」を続ける。

「本来、節電要請を行うのではなく、供給体制を見直すべきであり、停止中の火力発電や原子力発電の再稼動が必須です。しかし参院選を控え、CO2の問題から火力発電、そして『3・11』以降、国民の中に一定程度ある原発アレルギーのため、それぞれの再稼動を政府は争点化したくない。とはいえ、電力が不足することは経済面、安全保障面にも支障が生じるので、どこかで政府が決断しなければならない問題です」

 だが、それを現政権には望むべくもない。

「『他に適任者がいない』というふんわりとした支持に支えられた岸田政権では、世論の反発が想定される冒険は絶対にできません」(全国紙政治部デスク)

 経済評論家の加谷珪一氏が後を受ける。

「現実的に原発再稼動が難しく、脱炭素の流れから石炭火力にも頼りにくくなることは10年前から想定されていました。岸田政権だけのせいではありませんが、歴代政権の無策のせいで電力供給が危機にさらされているのに、節電ポイントなどといって、あたかもゲーム感覚での節電を要請される。『ふざけるな!』と思う国民がいても仕方がないでしょう」

「愚策」です

「シグマ・キャピタル」代表取締役兼チーフエコノミストの田代秀敏氏も憤慨する。

「政府の言う通り節電にいそしんで冷房を切り、高齢者をはじめ病院に担ぎ込まれる人が出てくるかもしれません。あまりに馬鹿げています」

 というわけで、我々は「令和」の時代に「戦中」を再体験させられているのである……。

 その他の物価高対策を見ても、「これ」というものがあったかがどうしても思い出せないのは、気候の影響による一足早い暑さボケのせいだろうか。念のため荻原氏に確認すると、

「家計の助けとなる対策が何かあったでしょうか? 唯一思い出せるのは、原油高対策としての元売り事業者への補助金ですが、結局、ガソリン価格は高止まりしたまま。愚策です」

 永濱氏と似た見解を述べるのだった。やはり暑さボケのせいではないようだ。

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