「人生これでいいのか」と不倫の道へ… 浮気夫を2度驚かせた、“20年連れ添った妻”の秘密

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 婚姻関係がある16歳~49歳の男女のうち、「夜の営み」がない割合は51.9%にのぼるという。そうしたカップルを対象にした別の調査では、3割が相手との関係性について「どちらでもない」「不仲」と答えている(一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターの2020年度調査、株式会社TENGAが22年に実施したスキンシップ調査より)。

 夫婦の在り方はさまざまだが、もし片方がその“在り方”に不満を抱いていたとしたら……。今回ご紹介する男性の体験は、そんなすれ違いが招いた結果だといえるかもしれない。20年以上にわたって男女問題を取材し、『不倫の恋で苦しむ男たち』(新潮文庫)などの著書があるライターの亀山早苗氏が、当事者に話を伺い、その胸中を明らかにする。

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 結婚して20年というのは、既婚者にとってひとつの大きな節目なのかもしれない。平均初婚年齢からいっても、多くの人は50歳前後でそのときを迎える。人生という観点でみても、やはり節目だろう。どういう家庭を営み、どういう職業人になるのか、そしてこれから人生の晩秋をどうやって過ごしていくのか。

「やり残したこと」を考えるようになったと50代の知人が言っていた。50代のうちに、それを実現させたい、と。いくら寿命が延びても、軽やかに動ける時間には制限がある。若い頃からの「やり残したこと」は、早く実現させるに越したことはないのだろう。

 相田庸輔さん(50歳・仮名=以下同)は結婚して21年。学生時代、ファミレスのアルバイトで知り合った亜樹さん(48歳)と結婚したのは29歳のときだった。

「ふたりとも学生でした。当時、僕は同じサークルの彼女がいたし、亜樹も恋人がいた。だから単なるバイト仲間だったんです。それが変化したのは就活のとき。2回も同じ会社でばったり会ったんですよ。それで情報交換と称して会うようになった」

 だが、つきあうところまではいかなかった。その後、それぞれに就職し、友人として会ってみて、ふたりとも恋人と別れていたことがわかった。

「冗談ぽく、『つきあっちゃう?』と言ったら、そうしようかと。ふたりとも新入社員で忙しく、なかなか会えない時間もありました。入社して2年で僕は地方支社勤務になり、3年たって東京の本社に戻ってきた。そこからようやく本格的なつきあいが始まったような感じでしたね」

 そこから結婚までは早かった。なぜなら亜樹さんが妊娠したからだ。正直言えば、「まだ早いだろ」と思ったそうだが、庸輔さんはもちろん、結婚を申し込んだ。

「仕事もおもしろくなってきたし、ようやく自分のお金で生活する楽しさもわかってきたところだったから、家庭に縛られたくないという思いはありました。でも子どもを育てるというのも未知の世界。それならそれで楽しもうと腹を決めました」

結婚パーティに元カレが

 結婚式なんてめんどうなものはしたくないと思っていたから、かえって妊娠が先でよかったとも思ったという。結婚式も挙げないまま、亜樹さんの体調が安定したころ、ごく親しい友人を招いてパーティを開いた。

「そういえば、そのパーティに亜樹の元カレがふたり来ていたんですよ。あれはちょっとびっくりした。亜樹のことは、ごく普通の常識人だと思っていたんですが、意外な面もあるのかもしれないと思いましたね」

 周りの友人たちが、「大丈夫か?」と心配してくれたが、庸輔さんは特に不快には感じなかった。ふたりの元カレ同士は面識があったようで、彼らが歓談しているところに「これからの亜樹の相手は僕だ」と割って入ってみたという。庸輔さんも、どうやら一般常識から少し外れた人のようだ。

「そのふたりと意気投合して盛り上がっちゃいました。ふたりともいい男でしたよ。そこに亜樹がやってきて、『なんなの、このメンツは』と笑っていた。『なんかあったら戻ってこいよ』とひとりが言うと、『あんたのところだけは戻らないわ』と亜樹が爆笑。ふっと自分の知らない女性がいる、と思いました。いいとか悪いとかではなく、僕の知らない面がたくさんあるのかもしれないな、と」

 そこで引いてしまう男性も多いような気がするが、庸輔さんはかえって亜樹さんに興味を抱いたらしい。

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