カジサックのクラウドファンディングはなぜ炎上したのか 相方・西野亮廣との意外な違い
本質は「寄付」
「西野さんの場合、“信者”的なファンの存在も大きいでしょう。眉をひそめるようなリターンでも、“お布施”的に支援してしまうわけです。更に、映画制作や美術館建設という内容に、一定の“公益性”を感じた人もいたのではないでしょうか。『リターンの内容がふざけすぎ』、『本当に美術館を建設する気があるのか』といった批判から炎上しましたが、ぎりぎりで“公益性”のイメージを感じさせたことが、資金の調達には成功した理由だと考えられます」(同・井上氏)
そもそも、寄付型と購入型という区別はなくすべきではないか──井上氏は、こう主張する。
「妙な“リターン競争”のようになっているクラウドファンディングの現状を、苦々しく思っている人も多いはずです。赤い羽根共同募金は、募金すると赤い羽根がもらえます。クラウドファンディングのリターンも、赤い羽根のようなもので充分でしょう」(同・井上氏)
たとえ購入型であっても、基本は「プロジェクトを支援したい」と“寄付”するのがあるべき姿。リターンは“おまけ”に過ぎない――というわけだ。
クラウドファンディングの本質は「寄付」だと定義すれば、カジサックのドミノ企画が問題だらけだと簡単に読み解ける。SNS上での「自分の金でやれ」という批判は、まさに正論だったことになる。
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