選挙特番“秘史” タモリの「センキョでいいとも!」「パンチDEセンキョ」 バラエティ化を進めたのはフジテレビだった
人材不足のTBS
今回のTBSの開票特番「選挙の日 2022 私たちの明日」(10日午後7時57分)には爆笑問題の太田光がスペシャルキャスターとして登場する。太田は昨年10月の衆院開票特番にも登場しており、連投となる。
TBSとしては出来ることなら太田に頼らず、自局の情報番組・ニュース番組のキャスターからMCを選びたかったのではないか。ほかの民放はみんなそうなのだから。
日テレは午後11時台の番組で視聴率トップの「news zero」(月~木曜午後11時、金曜同11時半)の有働由美子アナ(53)と櫻井翔(40)を起用し、「zero選挙 2022」(10日午後7時58分)を放送する。テレ朝も好調「報道ステーション」(平日午後9時54分)のMC・大越健介氏(60)に「選挙ステーション2022」(10日午後7時58分)を委ねる。
テレ東は「ワールドビジネスサテライト」(月~木曜午後10時、金曜同11時)のコメンテーターでもある池上彰氏を「池上彰の参院選ライブ~知られざる政治のカラクリ大解剖!~」(10日午後7時50分)に起用する。フジも高視聴を得ている「Mr.サンデー」(日曜午後10時)の宮根誠司アナ(59)を「Live選挙サンデー」(10日午後7時58分)に任せる。
TBSも看板ニュース番組「news23」(月~木曜午後11時、金曜午後11時半)のMC・小川彩佳アナ(37)を「選挙の日――」の総合司会に起用するものの、番組紹介ホームページでは太田がメイン扱い。小川アナがメインを張るのは難しいと判断したのではないか。「news23」は視聴率低迷が続いている。
TBSには過去に開票特番も経験した大エース・安住紳一郎アナ(48)がいるものの、これ以上の仕事増は現実的ではない。現在、「THE TIME,」(月~金曜午前5時20分)と「情報7daysニュースキャスター」(土曜午後10時)とラジオの「安住紳一郎の日曜天国」(日曜午前10時)を担当している。開票特番にまで登板するのは難しい。
一方、太田なら知名度十分である上、TBSがジャーナリズム・バラエティーと位置付ける「サンデー・ジャポン」のMCなので自前のキャスターと言えなくもない。TBSとしては面子を保てる。
太田は前回の開票特番で元幹事長の二階俊博氏(83)に対し「いつまで政治家をつづけるつもりですか?」と尋ね、怒らせてしまった。今回は大人しくするのか、逆にもっと過激になるのか。
前回の開票特番の視聴率は――
ちなみに前回の開票特番の視聴率はNHK「衆院選開票速報2021」が世帯17.7%(個人10.8%)でトップ。民放1位は日テレの「zero選挙」で世帯10.8%(個人7.0%)。次いでフジ「Live選挙サンデー」の世帯7.6%(個人4.6%)。
テレ東「池上彰の総選挙ライブ」は世帯7.6%(個人4.5%)。テレ朝「選挙ステーション2021」は世帯7.2%(個人4.1%)。TBS「選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ」は世帯6.2%(個人3.7%)だった(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
開票特番をお祭りと呼ぶ向きもテレビ界内にはある。報道局内の一大イベントだからだ。さて、どの局のお祭りが最も有益で楽しませてくれるか。
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