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消費税は消費を減退させた
次の議論となったのが日本の財政問題だ。安倍氏は引き続きの積極財政の必要性を説いた。
「日本の財政は危なくないです。それは明確に言っておきたいと思うんです。大切なことは何を基準に健全性を見るかと言うことです。債務残高の多寡ではなくて、物価がどうなっているか、国債の金利がどうなっているのか、通貨の信認がどうなっているのか。日本はこの3つとも問題ないですね」
ここで私は一つ疑問をぶつけた。日本の財政に問題がなく、国債をまだまだ発行できるというなら、消費税などいらないのではないか。その消費税率を2度も引上げたのは安倍政権ではなかったのか。
「消費税については社会保障費を賄うために引き上げました。毎年毎年使っていくものですから、恒久的な財源としては消費税がいいと考えました。でも消費を減退させる効果はあるんですね。これが大きかったのは事実だろうと思います」
安倍氏は消費税で消費を冷やしたことに対する忸怩たる思いを、いまだに抱いているのではないか。私は率直にそう感じた。
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