安倍元総理銃撃の瞬間 その時自民候補者は? 目撃者が語る「3発目」の意味

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安倍首相のすぐそばには佐藤候補が

 奈良県警は、殺人未遂容疑で奈良市の山上徹也容疑者(41)を現行犯逮捕した。

「男はSPらしき人に引きずられるようにして取り押さえられていた。声を上げたり抵抗したりすることは全く無く、冷静に見えました。倒れた安倍さんの周りには人が集まっていて、心臓マッサージをされているようだった。道路に血が流れているような様子はありませんでした。安倍さんのすぐそばにいた佐藤候補は、泣きはらしていて見ていてかわいそうなほどだった」

 女性を含め、聴衆の中には大きな混乱はなかったという。

「何が起きたのかすぐには分からなくて、ただただびっくりしたという感じ。犯人が持っていたものは銃ではなく単なる筒に見えたせいか、恐怖感はあまり無く、周りの人もパニックになる人はいませんでした。安倍さんが倒れたのを見て、11時33分に110番をしました。演説が始まって直後に安倍さんの写真を撮ったのが11時29分だったので、撃たれるまではほんのわずかな時間しか経っていなかった」

 現場は近鉄大和西大寺駅北口のガードレールに囲まれた一角。当時安倍氏は、地面に置かれた台の上に立ち、演説をしていたという。【粟野仁雄/ジャーナリスト】

粟野仁雄(あわの・まさお)
ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」「警察の犯罪」「検察に、殺される」「ルポ 原発難民」など。

デイリー新潮編集部

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