「元舞妓の告発」が波紋 初任給20万円、産休育休アリの“ホワイトな舞妓”が新潟にいた

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共同生活もナシ

 ホワイトな面は他にもある。

「京都では舞妓になるまでに、1年程度の仕込みの期間がありますが、こちらでは入社して2か月くらいでお披露目となります。早く現場に出て慣れて欲しいという思いからです。さらに、住み込みで先輩のお世話をしたり、共同生活を送ったりすることはさせません。家賃補助を出した上で、マンションに住んでもらいます。普通の会社だって、仕事とは別にプライベートな時間を確保しますよね。もちろん芸事の稽古は厳しくしっかりと行います」(同)

 今春はコロナ禍の影響で採用は1名のみだったものの、毎年数人の応募の中から、2名を採用しているという。

「振袖さんになってから5年ほどで留袖さんになり、さらにそこから5年ほどで独立し個人でやっていく方が多いです。結婚したり子どもを産んだりした後も続けて欲しいので、17年ほど前には産休、育休制度も整備しました。ただ、これまで制度を使った人は2名しかおらず、引退してしまう人が多い。どうしても勤務時間が夜遅いことや家族に理解してもらうことの難しさから、長く続けることが難しい仕事なのだと思います」(同)

“ホワイト”だと胸を張る柳都振興にも、告発の余波が来ているという。

「親御さんの中には、心配して連絡してこられる方もいたので、花街全体が危険なところというイメージを持たれてしまうことを心配しています。我々は本当にクリーンで働きやすい環境を整えています」

 純粋に伝統文化に触れたい、芸事を学びたいという女性には最適だろう。

「地元の新潟が多いですが、北海道から沖縄まで様々な地域から芸妓さんを目指す女の子がやってきます。柳都振興を選んでくれるのは、やはり安心感が違うからではないでしょうか。とはいえ、我々が給料や福利厚生の面がここまで手厚く出来ているのは、現在、120社もの企業が後援してくれているからこそだと思います。他で同じことをしようとしても厳しいのではないでしょうか」(同)

デイリー新潮編集部

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