電撃結婚の滝沢カレン、異例の愛され力の理由とは 従来のおバカキャラとはひと味違うポイント

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

妙な敬語グセが生み出した絶妙な距離感 特定の大御所イメージをつけずに広く浅く愛される強さ

 祖母からは「人間の誰よりも底辺だから」と厳しくしつけられ、誰に対しても敬語が抜けなくなったというカレンさん。だから友達ができにくく、できても距離の縮め方に悩むという。

 でもそれが、結果的に功を奏したのではないか。おバカキャラに限らず女性のバラエティータレントは、大御所MCの「お気に入り」という色をつけられやすい。木下さんと島田紳助さんしかり、指原莉乃さんと松本人志さんしかり、みちょぱさんと有吉弘行さんしかり。それは一見安泰に見えるが、お茶の間からは「虎の威を借る狐」だと反感を買うこともある。

 対して滝沢さんは、さんまさんの番組の常連ながら、個人的に近しいイメージはない。おぎやはぎさんや神田伯山さんとは冠番組を持ち、内村光良さんやバナナマンと共演していても、どの派閥にも属さないように見えるのだ。仕事関係者は尊敬していたいから、一定の距離を保ちたいと話していたことがあるが、知名度を問わず誰に対してもその姿勢なのだろう。神田さんは連絡先も知らないと明かしていた。

 笑顔の裏で、ストイックに自分の信条を貫くきまじめさと孤独。カレンさんに足らないのは知性ではなく、実は自己肯定感なのかもしれない。2年前の「情熱大陸」では、「そのままでいい。自分のいる意味や立場を考えすぎず、無理をしない」ことを心がけていると言っていたが、緊張した表情や試行錯誤する姿が印象的だった。言葉通りにいかない難しさ。その苦悩がまた、悩める現代人の心の底ともシンクロするのだろう。

 自分は運が悪い方だとも話していたカレンさんだが、彼女の言葉を借りれば「楽しい冒険」は始まったばかりだ。持ち前の品の良さとこだわりはそのままに、「生涯幸福」という四字熟語が似合う女性でいてほしい。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。