“史上最強”大阪桐蔭の「春夏連覇」を阻止できるか 対抗馬となりそうな有力5校の実力
一番手は昨夏の「甲子園」覇者
圧倒的な強さで選抜高校野球を制した大阪桐蔭。春の近畿大会では決勝で敗れて公式戦の連勝は29でストップしたものの、投手では、最終学年で大きく成長した川原嗣貴と、2年生とは思えない完成度を誇る前田悠伍が安定しているほか、今年のドラフト上位候補に挙げられる松尾汐恩といった力のある打者が揃っている。守備面には少し不安が残るものの、最後の夏に向けてしっかりと仕上げてくる可能性が高く、激戦の大阪大会を勝ち抜き、夏の甲子園で優勝候補の筆頭となりそうだ。【西尾典文/野球ライター】
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ただし、高校野球は負けたら終わりの一発勝負。力のあるチームがそのまま勝ち上がることができないケースも珍しくない。そこで、今回は大阪桐蔭以外に夏の甲子園制覇を狙えるチームはどこなのか、注目選手とともに探ってみたい。
「ストップ大阪桐蔭」の一番手は、昨年の夏の甲子園の覇者で、今春の近畿大会決勝で大阪桐蔭を破った智弁和歌山になる。昨年秋は新チームの立ち上げが遅れた影響もあって、県大会で敗れて選抜出場を逃したが、この春は安定した戦いでハイレベルな近畿大会を制した。
チームの中心となるのは旧チームから正捕手を務める渡部海と、投打にわたってスケールの大きいプレーを見せている武元一輝だ。渡部はキャッチング、ブロッキング、スローイングいずれも高レベルのディフェンスタイプのキャッチャーで、捕手出身の中谷仁監督(元阪神など)の信頼が厚い。バッティングも昨年と比べて明らかに力強くなり、春の近畿大会でも3試合で打率5割をマークするなど成長ぶりを見せた。
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