酷暑の東京を「ノーマスク」で過ごしてみたら(ネットニュース編集者・中川淳一郎)

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数日前から憂鬱に

 私はABEMA Prime(ABEMA)という報道番組のレギュラーコメンテーターのため、月に1回東京へ出稼ぎに行く。唐津は人口約12万人で、面積は人口約970万人の東京23区の627.6平方kmに対し、487.6平方km。23区から人口1位の大田区・2位の世田谷区・10位の品川区を除いた面積だ。23区の人口密度は1.5万人/km2。対する唐津市は、246人/km2

 つまり唐津の人口密度は23区の1.6%なわけで、小池百合子都知事からすれば「密です!」な空間は滅多にない。それもあってかマスク着用に対しては一部(後で述べる)を除き、かなり緩いところがあり、私はまったくマスクをしない。いわゆる「マスク警察」に会うこともない。だからこそ、楽園のような唐津を出て、月1回の東京出稼ぎが苦痛で苦痛で仕方がなかったのだ。

 東京に行けば、気の合う仕事仲間と会い、「会いましょうよー!」と言ってくれる人々もいて飲むことが多く、いわゆる「二拠点生活」の美味しいとこどり ができるのだ。だから東京に行くことに対する楽しみはあるものの、とにかく「福岡の地下鉄」「福岡空港」「飛行機の中」「羽田空港」「東京のホテルに行くまでの公共交通機関」「ホテル」「目指す飲食店が百貨店に入っている場合の入り口の『マスク門番』の存在」「都内移動時の公共交通機関内」による「マスク圧」があるため、東京に行く数日前から憂鬱になり続けたのは事実である。

唐津モード

 前回は6月4日の出演に合わせて東京へ行ったが、「宿に行くまでの公共交通機関」と「ホテル」はマスク圧が緩和されていた。明らかに5月と雰囲気は変わっていた。だからこそ、今回私は「もう、唐津モードで行く」と決めた。この決意について「唐津からマスクをしないバイオテロリストがやってくるのにいちいちエラソーに言いやがってこの犯罪者が!」と思う貴殿は浅はかである。

 何しろ唐津には「密」がないし、マスクをしている人間は屋外に関しては、都会よりも圧倒的に少ないのだ。飲食店の従業員についても、私が行く店の人々はマスクをしていない。「効果のない、ただただ息苦しいだけのものをしたくないし、私はマスクをしないでも来てくれるお客さんを大事にしたい!」と思ってる従業員が働く店に私は行くのだ。

 それでいて「佐賀県のコロナ被害が深刻」なんて報道があったか? ない。「佐賀県内比ではヤバいねー!」みたいな報道はあるが、全国ニュースになるほど「佐賀がヤバい!」はなかった。

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