70年代に“生魚のカルパッチョ”!? 朝ドラ「ちむどんどん」のイタリア料理にプロも困惑

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 沖縄本土復帰50年に合わせ、およそ10年ぶりに沖縄が舞台の作品となったNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」。黒島結菜(25)が演じるヒロイン・比嘉暢子が兄妹たちと支え合いながらイタリア料理のシェフとして奮闘する成長物語だが、イタリア料理研究家は困惑を隠せない……。

時代に合わない「ペペロンチーノ」

 料理人になるという夢を抱き、沖縄から上京した暢子が修行を始めたのは、銀座の高級イタリアン「アッラ・フォンターナ」だった。

「最初は期待しながら『ちむどんどん』を見ていましたが、違和感を持つことが多かった。最初に“おや?”と思ったのは、『ペペロンチーノ』でした」と語るのは、イタリア料理研究家の長本和子氏だ。

 前向きで物怖じしない“朝ドラらしい”ヒロイン・暢子は、レストランのオーナー・大城房子(原田美枝子[63])に「ペペロンチーノ」対決を挑む(第6週)。暢子は子どもの頃、沖縄で食べたソーミンチャンプルーをヒントにレシピを考案するのだが……。

「『ペペロンチーノ』は、イタリア中南部で食べられてきた庶民料理の代表格とも言えるパスタです。日本で一般的になったのは、イタリアで修行していた料理人が多数帰国した2000年代以降。ドラマの時代設定である70年代に、 存在を知る日本人がいたとしても数人です。80年代、90年代に掛けて料理人の中では広まってきましたが、店で出すメニューではなく、ましてや『アッラ・フォンターナ』のような本格的なリストランテのメニューにはまずありません」(同)

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