立民・福山氏が「維新対策」で作成した選挙ポスター 「京都人のプライド」をくすぐったフレーズとは

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「上京」ではなく「東下り」

「これまで維新が京都に入ってこられなかったのも、維新が“大阪の政党”だったからです。経済では明らかに大阪のほうが栄えていますが、実は京都人はプライドが高く、心の底では大阪を見下しているところがあるのです」(同・関係者)

 東京に対してでさえ、剥き出しの対抗心を見せる京都人は多いという。

「遷都したといっても、たかが200年も経っていないだろうと。こっちは1000年も都として栄えてきた街なんだと。だから『上京する』とは言わず、『東下りする』という年配の人もいます」(同・関係者)

 いわんや大阪をや、という気構えだというのだ。「大阪で決めたことを京都に持ってくるなんてもってのほか」。福山氏は京都人のプライドを揺さぶる作戦に出たのである。

 このワンフレーズが効いたのか、終盤戦で福山氏は盛り返し、維新を引き離し始めた。

自民党も同調

 このポスターには、三つ巴の一角である自民党の重鎮・伊吹文明元衆議院議長も同調。「立民はいいことを言っている。京都のことは京都で決めましょう」と自民党候補の演説会で持ち上げた。自民は政策的には立民よりも維新に近いが、こちらも維新の猛追を受け、なりふりかまっていられない状況なのである。

 一方、維新側についている国民民主の前原氏は、

「大阪で決めたことを京都でやるんじゃありません。生粋の京都人である楠井さん(維新新人候補)が京都のことを決めるんです!」

 と演説で反論。この言葉には暗に、福山氏が東京生まれであることも含んでいるという。

 政策はそっちのけで、最後は「県民性」が争点となってしまった京都選挙区。軍配をはどの候補へ……。

デイリー新潮編集部

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