安倍晋三元総理を怒らせた自民大阪府連 「最大派閥の長たる自分を蔑ろにするとは」

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「私もまだ67歳。若いんです!」

 安倍晋三元総理がひと際声を張り上げた。6月12日、大阪市内。参院選で改選を迎える松川るい氏の決起大会でのことだが、応援演説にもかかわらず、自身をアピールしたのにはワケがある。

 3週間前の5月21日にも安倍氏は大阪を訪れていたが、奇しくも同じ日、岸田文雄総理も大阪にいた。安倍氏は自身が率いる清和研所属の谷川とむ代議士のパーティーに参席。一方の岸田総理は、昨年の総選挙で自民党が全19選挙区で総崩れとなった大阪で、比例復活もかなわず落選となった11人の前議員らが設立した「挑戦(チャレンジャー)の会」の設立総会に招かれていた。

 この会の代表を務める中山泰秀元外務副大臣は安倍氏の側近として有名で、岸田派の竹本直一元IT担当相を岳父に持ちながら清和研に加入した、加納陽之助氏もメンバーだ。

「だからこそ、安倍さんは挑戦の会に自身でなく、岸田さんが招かれたことにご立腹でした。最大派閥の長たる自分を蔑ろにするとは、ということですね」(自民党大阪府連関係者)

安倍氏に対するわだかまり

 安倍氏が気分を害するのも分からぬではない。が、この関係者は弁明しきり。

「安倍さんを軽んじたわけではありません。目前の参院選を無事にやり過ごせば、総選挙も参院選もない“黄金の3年間”が到来します。ただ、その間に岸田総理が解散を打てば、候補者の公認権は党総裁を兼ねる岸田さんが握るわけです。清和研の前議員らも岸田さんの不興を買うわけにいかず、非清和研の元議員らも“ここは総理を呼ぶのが筋”と言って譲らなかった」

 とはいえ、府連にはいまも安倍氏に対して微妙なわだかまりが残っている、と語るのは別の関係者だ。

「先の総選挙で、大阪は過去に経験したことのない苦戦を強いられた。その理由は安倍さんや菅さんが国会対策などを理由に日本維新の会と蜜月関係を築き、台頭を許したからだという思いがあるんですよ」

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