本当は自民党から出馬したかった中条きよし 松本文明・前議員にアプローチするも失敗

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定年制を知らず

 どういうことか。

「2~3月頃でしょうか。中条さんは知人を通じて、うちの前議員に連絡し、面会までしているんです」

 その前議員とは松本文明・元内閣府副大臣。自民党から当選4回を重ねたが、昨年の衆院選で落選し、引退を表明した身だ。

「その席で、中条さんはうちからの公認の可能性を探ってきたんですが、情けないことに、自民党の比例は70歳が定年であることも知らなかった。そのことを指摘されると、グダグダになり、話はそれっきりとなってしまったんです」

 そしてそのわずか1~2カ月後に、維新からの出馬を表明。これでは、節操がないと指摘されても仕方ない。

取材に対して虚偽の回答

 当の中条に、この件についての真意を聞いてみたいところ。

 が、事務所に問い合わせると、秘書氏はこう答える。

「中条本人に確認したところ、松本さんと会ったのは事実ですが、昨年のこと。それも松本さんサイドから連絡があって会ったとのことです」

 しかし、他方の松本前代議士に聞いてみると、

「いやいや彼から言われて会ったんですよ。私から会いたいと言う理由なんてどこにもないじゃない。時期も昨年じゃないよ。僕が引退した後のことだから間違いない」

 念のため、今度は中条本人を直撃してみた。すると、

「いや、秘書が間違えただけで、会ったのは今年だよ」

 と部下のせいにして前言撤回……。

「『うそ』のない政治」の先が思いやられるのである。

週刊新潮 2022年7月7日号掲載

特集「そこに『良識』はあるんか? お笑い参院選の俗物図鑑」より

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