マスクを外さなければ「高齢者が千人単位で亡くなりかねない」 “濃い汗”をかく場合は要注意
梅雨空がまだまだ続くと思っていたら、突然訪れたのは記録ずくめの灼熱地獄。迎えるは熱中症リスクである。今夏は熱中症患者も記録的な数になるという観測もあるが、身を守るノウハウはある。そのキーワードはエアコン、水、マスク。以下、詳しくお伝えする。
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なにからなにまで異常ばかりである。6月27日に関東甲信などで早くも梅雨明けし、各地で梅雨の期間の史上最短を更新した。
しかし、本当は25日にはすでに明けていたのではないのか。その日、群馬県伊勢崎市で観測史上初めて、6月に40度超の気温を記録し、東京都内も最も早い猛暑日に。翌26日も35度を超え、6月初の2日連続猛暑日となった。
25日、26日は週末で、各地で人出も多かった。実際、26日の暑いさなかに上野公園を歩くと、人、人、人だが、同時にマスク、マスク、マスクなのである。マスクを外している人は、20~30人に1人くらいか。殺人的な炎天下の公園で、ほぼ全員がマスクをしているのは、世界的に見ても異常な光景ではあるまいか。
「病院にいてもコロナの重症者はほとんど来ず、熱中症のリスクのほうが大きくなっていると思います。マスクを“外してもいい”ではなく、“外さないと危ない”状況で、多くの国民が熱中症の犠牲になるのを危惧しています。昨年はみなさん外出を控えたので、熱中症の患者数は減りましたが、今年はみな活動的になっていますから、昨年のようにはいかないと思います。熱中症患者が増える7月を前に、いまこそマスクを外すべきです」
「真剣にマスクを外そうという議論をしないと」
この春までマスク着用を推奨していた浜松医療センター感染症管理特別顧問、矢野邦夫医師はそう語る。
「高齢者の9割、国民全体の6割以上がワクチンの3回目接種を終え、治療薬も普及している。マスクはワクチンや治療薬が出てくるまで、時間を稼ぐためのものだったはずで、その役割は終わりました。重症化リスクが高い患者さんが多い病院や高齢者施設などでは、引き続き着用したほうがいいでしょうが、それ以外の場所ではマスクをしないのを基本にすべきで、屋外はもちろん、電車内でも職場でもやめていいと思います。ところが、いまもマスクを外している人はほとんどおらず、真剣に“マスクを外そう”という議論をしないと逆に危ない。本末転倒な状況になっています」
がまんしてマスクをし、熱中症のリスクが高まるだけなら、本末転倒以外のなにものでもあるまい。
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