2日の広島戦、巨人の投手起用に大きな疑問【柴田勲のセブンアイズ】
ヤクルトの“大独走”
現在のセ・リーグの状況を開幕前に誰が予想しただろうか。ヤクルトが独走、いや“大独走”に入っている。セは1強5弱の状態になってしまった。
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巨人は6月26日に自力優勝の可能性が消滅した。2リーグ制後、自力Vが6月中に消えたのは2003年の6月27日の1度だけだ。2リーグ制後の最速だ。
ヤクルトが7月2日に優勝マジック「53」を点灯させた。鶴岡(一人)さんが南海で指揮を執っていた1965年7月6日を抜き史上最速記録だという。前代未聞の一言だ。
ヤクルトは3日もDeNA戦を大勝して優勝マジックを「51」とした。おまけに54年の南海以来、68年ぶりの14カード連続勝ち越しとなった。
巨人とヤクルトとのゲーム差は「13.5」で08年の大逆転V「メークレジェンド」の13を超えた。もはや大逆転Vなんてありえない状況だ。それにマジックが一度出ると思ったよりも早く減っていくものだ。
あくまで目指すは大逆転V
巨人は3日の広島戦(マツダ)、負ければ3位転落のピンチだった。だが、3点を先行されながらも大城卓三の一発、坂本勇人の2打席連続本塁打などで7回に勝ち越し、その裏に同点とされたが8回には吉川尚輝の適時二塁打で再び勝ち越し、さらに9回、丸佳浩の本塁打でダメを押した。
8、9回を平内龍太、(翁田)大勢で締めくくった。連敗は3で止まり借金生活を免れたが最大11あった貯金は1となった。
5日からはヤクルトを東京ドームに迎えての3連戦だ。村上宗隆を中心にした打線は勢い、破壊力がある。投手陣にも相乗効果を生んでいる。点を取られても取り返してくれる。先発陣にもそれほどのプレッシャーはかからないだろうし、中継ぎ陣はよく整備されて強力だ。
巨人、確かに優勝は絶望的となった。だがここで2位を確保するとか、クライマックスシリーズ(CS)進出を狙っていくといった戦い方ではダメだ。
あくまでも大逆転Vを目指す戦いをしていく必要がある。原辰徳監督以下首脳陣、そして選手たちもいまの置かれた状況を口に出さないものの充分承知している。緊張感が切れる寸前だろう。そんな時に手綱を緩めたら落ちる一方だ。ダメ元で全力を尽くすしかない。
それにCSに進出したらヤクルトと対戦する可能性が大いに出てくる。「やはり巨人は強い。手ごわい」、「イヤな相手だな」と思わせることが大事だ。勝負事は相手にマウントを取られたら不利になる。
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