TBS「オールドルーキー」が早くスタートした事情 「綾野剛」で何としてもの力の入れ方
参院選がある
「まず、前作『マイファミリー』の成功がありました。二宮和也が主演とはいえ、テーマが誘拐という重めのミステリーは、これまでの日曜劇場ではあまり受け入れられなかったものでした。週末最後の日曜夜は、翌日から学校や会社があるため、シリアスなドラマは避けられる傾向があったからです。しかし、『マイファミリー』は、4月期ドラマでは唯一と言っていいほどの高視聴率で、視聴者に受け入れられたのです」
初回視聴率は12・6%で、後半になるに従って右肩上がりとなり、6月12日の最終回は16・4%だった。
「TBSには、この勢いを止めることなく、そのまま日曜劇場を視聴者に見てもらいたいという想いがあったことは間違いありません」
大きな問題もあったという。
「もともと7月下旬から学校は夏休み、8月にはお盆休みもある。家族旅行やイベントが目白押しとなるため、夏ドラマの視聴習慣は崩れやすいと言われています。連続ドラマにとって厳しいクールなのですが、今年は例年に比べイベントが多いんです。まず、7月10日は第26回参議院議員通常選挙の投開票日です。この日は民放も選挙特番を放送しますから」
TBSは「選挙の日 2022」で、懲りもせず爆笑問題の太田光をスペシャルキャスターに迎えて放送する。
世界陸上も開催
「さらに、7月16~24日は、TBSが独占放送する『世界陸上』があります。この期間はTBSのレギュラー番組は休止しますから、選挙の10日に加え、17日、24日と3週にわたって、日曜劇場は放送できないことになるんです」
仮に7月3日に「オールドルーキー」初回を放送した場合、2話は7月31日になるわけだ。
「始まってすぐにそんなに期間を空けたら、視聴者に忘れられてしまいます。せめて2話まで放送することで、視聴者を引きつけておきたいと考えたのでしょう」
ちなみに、前回の参院選と世界陸上が重なった日曜劇場は、19年の「ノーサイド・ゲーム」(主演:大泉洋)だった。この時は7月7日にスタートし、9月15日に終えている。
「7月21日が第25回参院選の投開票日だったため番組が休止となりましたが、やはり最初に2話まで放送しています。また『世界陸上』は2年に1回、通常は奇数年の8月か9月の開催です。『ノーサイド・ゲーム』の時は、最終回放送後の開催でした。ところが今年は、コロナ禍で1年延期となった東京五輪が昨年開催されたため、昨年8月の開催予定の『世界陸上』も今年7月開催に変更されたのです」
考え抜かれたTBSの戦略は、どんな結果になるのだろうか。
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