BTS活動休止を招いた韓国政府の政治利用 5月の政権交代がトドメに

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戸惑いの表れ

 だが、コトの重大さゆえ議論は思うように進まず、

「今年4月にはHYBEのCCOが業を煮やし“BTSのスケジュールを決めることもできない。早く結論を出してほしい”と発言しています」(一橋大学大学院のクォン・ヨンソク准教授)

 何よりBTSにとっての不幸は今年5月、尹錫悦(ユンソクヨル)政権が発足したことだった。

「BTSに関する兵役免除反対派が多い20代男性の支持を集める尹大統領は、積極的な姿勢を示さず法案成立も不透明なままです」(同)

 何とまぁ、いいように政治にもてあそばれた少年たち……。

 韓国コラムニストの児玉愛子氏に見解を聞くと、

「BTSは、文政権の政治利用にへきえきしていたところもあるのではないでしょうか。文政権では、米韓や日韓の関係が悪化すると、彼らの名前を前面に出すことで相手国内でのイメージ改善を図る場面が多かった。兵役免除策なども含め、当の本人たちには大きな負担だったのかもしれません」

 先のクォン准教授も言う。

「BTSはもともと若者の絶望感や格差社会への不満を歌に込めたグループで、必ずしもアイドルの王道ではなかった。なのに近年、米国でも大成功し、ホワイトハウスにも招かれるなど政治的なアイコンになりました。リーダーのRM(27)の“BTSがどんなグループかわからなくなった”という吐露も、あまりに肥大化した自身のイメージへの戸惑いの表れではないか」

週刊新潮 2022年6月30日号掲載

ワイド特集「“騒乱”の舞台裏」より

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