1本70円「ガリガリ君」の苦悩 アイスも軒並み値上げの中でいつまで耐えられるか

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 テレ朝newsは6月27日、「【速報】東京都心で3日連続の猛暑日 6月としては観測史上初」の記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスにも転載された。

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 記事タイトルの通り、異常とも言える猛暑が続いている。

 だが、経済的な観点に立つと、夏季の平均気温が1度上昇すると数千億円の経済効果が得られると言われている(註1)。

 暑さで売上が伸びる商品の代表といえばアイスクリームと氷菓だ。担当記者が言う。

「アイスは気温が22度を超えると売れ始め、28度が売上のピークと言われています。更に上昇すると、氷菓やかき氷が人気を集めます。また10年ほど前から、アイス業界の売上は基本的に右肩上がりです。かつては子供のおやつでしたが、近年は大人向けの商品がヒット。消費者の裾野を拡げることに成功したからです」(註2、3)

 日本農業新聞社は6月21日、「21年度アイスクリーム販売額 2年連続過去最高に プチぜいたく需要取り込み」の記事を掲載した。

《アイスクリームの2021年度の市場規模が5258億円となり、2年連続で過去最高を更新したことが20日、日本アイスクリーム協会のまとめで分かった。新型コロナウイルス下の「プチぜいたく」需要を取り込み、高価格帯の商品が売り上げをけん引した》

明治と森永

 だが今後、アイス業界では値上げラッシュが起きる。これは売上にどのような影響を与えるだろうか。

 まずは値上げの状況を見てみよう。例えば朝日新聞は4月7日、「明治、アイスクリーム値上げ」の記事を朝刊に載せた。

 記事によると、値上げは6月1日出荷分から。「エッセル スーパーカップ 超バニラ」(200ミリリットル)は税別価格(以下同)で10円アップの150円になるという。

 4月6日に明治が発表した広報資料によると、値上げされるアイスは21品目。「チョコレートアイスパフェ」(185ミリリットル)が140円から150円、「宇治金時」(65ミリリットル×6本)が350円から380円という具合だ。

 また「エッセル スーパーカップミニ 各種」(90ミリリットル×6)が450円から480円となるように、“詰め合わせ商品”も値上げの対象となっている。

 森永乳業も6月1日出荷分から値上げを行うと発表した。人気の「ピノ」、「PARM(パルム)」、「MOW(モウ)」は140円から150円となる。

“詰め合わせ商品”も同じで、「PARMチョコレート(6本入り)」(55ミリリットル×6)は450円から480円に値上げされる。

値上げラッシュ

 日本食糧新聞は4月27日、「ロッテ、アイスと菓子を値上げ」の記事を掲載した。

 値上げとなるのは、市販用マルチアイスクリーム16品、レディーボーデン各種15品、業務用アイスクリーム79品、アイス自動販売機商品9品、市販用パーソナルアイスクリーム18品だという。

 特に「爽」(190ミリリットル)、「クーリッシュ」(140ミリリットル)、「モナ王」(160ミリリットル)、「雪見だいふく」(47ミリリットル×2)などの人気商品は、7月1日出荷分から140円を150円に値上げする。

 また「爽」(90ミリリットル×4)などの“詰め合わせ商品”をロッテは「マルチアイスクリーム」と称している。こちらは6月1日出荷分から350円を380円に値上げする。

 他にも江崎グリコや井村屋、ハーゲンダッツジャパン、オハヨー乳業……などなど、ありとあらゆるアイスの値上げが発表されている。

 その中でも注目を集めているのが、赤城乳業の値上げだ。まず、新聞記事を引用させていただこう。

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