FM・NACK5「営業部長」が「火炎放射パワハラ」 被害男性が証言する飲み会の修羅場

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制汗スプレーとライターで「火炎放射」

 翌19年、入社2年目のAさんは同じイベントで宿泊したコテージで、またもやターゲットにされてしまう。

「先輩たちに囲まれ、ユニットバスのなかでズボンを半分脱がされながら、ビールを頭から浴びせかけられました。そして、ずぶ濡れになった私のところに、Bさんが制汗スプレーとライターを持ってやってきたんです。しかも、当時、流行っていた映画のタイトル『カメラを止めるな!』を連呼しながら、他の部員にスマホで映像を撮らせていた。Bさんはユニットバスにいた私に向かって、制汗スプレーを噴射してライターの火を近づけました。次の瞬間、ボワッと大きな炎が上がって私に向かってきた。さすがに恐ろしくなった私は“ダメっす! ダメっす!”と言いながらシャワー室のカーテンを閉めたんですが……。Bさんは“火炎放射”に脅える私の姿を見て大笑いするだけでした」

 このまま仕事を続けられるだろうか――。そう思い悩むうち、Aさんは夜も眠れなくなってしまう。そして、心療内科を受診したところ、睡眠障害に加え、重度の非定型うつ病と診断される。事ここに至って、Aさんは営業部の上司に退職について相談したそうだが、その内容がB氏の知るところとなる。

「俺の評価もあるし」

「私としては退職するにしても、パワハラについて口外するつもりはありませんでした。しかし、Bさんから呼び出された際に“円満退社にしてやるから、会社に対してネガティブなことを言うな。俺の評価もあるし”と言われました。その言葉を聞いたときに、このまま何もなかったことにされるのは嫌だと感じたのです」

 Aさんは会社側に事情を説明。調査に乗り出したNACK5は、“火炎放射”や飲酒強要などのハラスメント行為があったことを認め、2020年2月、B氏に対して懲戒処分を下した。だが、その内容は<出勤停止2日間>というものだった。退職したAさんはB氏を相手取り、パワハラによって被った精神的・肉体的苦痛に対する損害賠償を求める訴訟を起こしている。

 前代未聞と言える“火炎放射”パワハラに対する処分が<出勤停止2日間>。この判断は本当に妥当なのか。パワハラの事実関係や処分内容、社としての対応なども含め、改めてNACK5に問い合わせると、以下のコメントが寄せられた。

「ご質問にかかる個別具体的な社内処分及びそれに関連する事項等について、コメントは差し控えさせていただきます」

 社内処分の内容はともかく、パワハラの事実関係や社の対応についてまで一切コメントしない姿勢には、さすがに首を傾げざるを得ない。

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