「肉より魚、大豆」派は短命? 加齢臭に効く食品は? プロが明かす60代以降の食事術

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肉、チーズ、卵が入ったおやつを

 75歳を超え、後期高齢者と呼ばれる年齢になると、食が細くなってしまう人の割合はどうしても増えてきます。1回に食べられる量が少なくなってきたら、1日3食ではなく、5食にしてもいいし、おやつを充実させるのもありだと思います。おやつにするなら、肉が入っている中華まんじゅうなどがおすすめです。1個でたんぱく質が10g近く取れます。その他、ベイクドチーズケーキやカスタードプリンなど、原料にチーズや卵を使ったおやつも、多くのたんぱく質を補給できます。

 私は、どうしても食欲がわかないという方には、友人を誘ってバイキング形式のレストランに出かけることをおすすめしています。人と会って食事をすると、会話が気持ちを前向きにしてくれ、認知機能低下の予防にもつながります。そして、最初はあまり気が進まなくても、並んでいる料理を見ているうちに、食べてみようと思えるものが見つかるかもしれません。

 こうして見てきたように、60歳を過ぎたらとにかく食べること、たんぱく質を取ることが大事です。ただし、運動習慣もサルコペニア予防には非常に大切なので、ウオーキングなどの運動を毎日することもどうか忘れないでいただきたいと思います。

森 由香子(もりゆかこ)
管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士。東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院修士課程修了。東京都の「医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ」にて、入院・外来患者の血液検査値の改善にともなう栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導などに従事している。抗加齢指導士の立場からは「食事からのアンチエイジング」を提唱している。

週刊新潮 2022年6月23日号掲載

特別読物「60代からは食事を変え『肉・魚ファースト』 元気に『70代』『80代』を迎える『最強の食べ方』」より

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