突然「浮気」にハマり最大5股 アラフォー夫の目を覚まさせた、妻の“習いごと”
夫のいる女性に惹かれて
以来10年間、高校を卒業するまで浩也さんはどこか遠慮しながら暮らしていた。祖母が母に嫌味を言うと自分のせいだと心を痛めた。一方で母の重すぎる愛情も苦しかった。早く大人になりたい、大人になって自由に生きたい。その思いだけが濃縮されていった。
「高卒で大阪の会社に就職しました。でも、どうも人間関係がうまくいかなくて2年で退職。そこから東京へ出て、キャバレーの呼び込みなど、夜の街でいろいろな仕事をしましたね。東京というところは眠らない街だと肌で実感しました」
たまたまお酒に弱かったこと、女性にあまり興味がなかったことから、彼は日々、楽しげに遊ぶ周囲を見ながら、一生懸命に働いてお金を貯めた。
「23歳のときに大学の二部を受験して合格。昼は仕事、夜は勉強をするようになったんです。大学は楽しかった。自分でお金を出していますから、ひとときでも無駄にはできない。けっこう一生懸命、勉強しましたよ」
大学での勉強だけで中国語を習得、貿易関係の法律も学んだ。昼間の勤務先が中国からの輸入関係だったため、日に日に学んだことが身になっていった。小さな貿易会社だったので彼は重宝されたという。
「27歳で大学を出て、その後はひたすら働きました。そのころようやく、初めて女性とつきあったんです。それが同じ会社の人妻で……10歳年上の素敵な女性でした」
彼女と知り合ってから、彼はますます仕事に精進した。上司や役員からの過大な期待もほとんどプレッシャーにはならなかったという。それは「彼女」がいたから。すでに勤続15年近くなるその女性、柊子さんは仕事の裏側まで懇切丁寧に教えてくれたのだ。
「仕事がうまくいけばいくほど、柊子と離れられなくなっていきました。でも彼女には夫がいる。彼女、すでに再婚で、自分の子はいないけど夫の連れ子ともうまくいっていたんです。だからもう離婚はできないって」
それでも彼はあきらめきれなかった。柊子さんがいなければ自分の人生は成立しないとまで思い詰めた。彼女が今ごろ、夫と仲良くしているのかと思うと嫉妬で心が煮えたぎった。
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