「トップガン」続編が興収43億円突破 世界中の軍事オタクを喜ばせたツボ3つ
映画「トップガン マーヴェリック」[監督:ジョセフ・コシンスキー(48)、東和ピクチャーズ]が日本でも大ヒットしている。映画.comは6月13日、「『トップガン マーヴェリック』興収43億円突破! 米を除いた世界興収で日本が第2位に上昇」の記事を配信した。
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「トップガン」で描かれる「細部までリアルな描写」だが→「ホンモノ」の画像【写真22枚】
大ヒットの理由について民放キー局などは「50代の観客が喜んだため」と報じている。
第1作の「トップガン」[監督:トニー・スコット(1944~2012)、UIP]が日本で公開されたのは1986年。当時も興収39億円を超えるヒット作だった。その時に感動した観客が50代となり、今回も劇場に押し寄せたという分析だ。
もちろん、それも大きな要因なのだろう。だが、ある軍事ジャーナリストは「世界中のミリタリーファンも感心するほど、細部までリアルな描写でした。そんなスタッフのこだわりも、大ヒットの一因ではないでしょうか」と言う。
「神は細部に宿る」という言葉もある。軍事ジャーナリストが感服したのは、例えば試験用極超音速機「ダークスター」が登場するシーンだ。
主演のトム・クルーズ(59)が演じるピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐が搭乗し、マッハ10を目指す。
「最初は見落としたのですが、2回目の鑑賞で、ダークスターの機体に『スカンクワークス』製であることを示すスカンクのマークが入っているのに気づきました。これには驚きましたね」(同・軍事ジャーナリスト)
リアルな“裏設定”
スカンクワークスは、アメリカの航空機メーカー「ロッキード・マーティン」における軍事航空部門の極秘開発担当だ。
「高性能で特殊な軍用機の数々を生み出してきたことで知られています。例えば、1955年にスカンクワークスが開発した『U-2』は、偵察機の傑作として航空機の歴史に名を残しました」(同・軍事ジャーナリスト)
U-2は「スパイ機」とも呼ばれた。敵機に補足されない高高度を飛び、高性能のカメラで敵地を撮影する機能を備えていた。
当時は東西冷戦下。おまけに偵察衛星もなかった。U-2は東欧やロシア上空を飛び、貴重な情報をアメリカにもたらした。
「ダークスターの機体を見たミリタリーファンは、スカンクワークスが開発した『SR-71』が浮かんだと思います。マッハ3で飛ぶ戦略偵察機で、特異な外見でも知られています。トム・クルーズは映画の中で宇宙飛行士のような与圧服を着用しましたが、SR-71でも同じものを身につけます」(同・軍事ジャーナリスト)
あくまでもフィクションとはいえ、ダークスターがSR-71の後継機であり、そのためテスト飛行を繰り返しているという“裏設定”を、綿密に作っていることが分かる。
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