野球選手の妻たちが明かす「勝負レシピ」 疲労回復に効く「特製豚汁」、勝率が上がる秘伝のおかずのレシピとは
“トマトすき焼き”
試合の朝によく出すのは豚丼。夫の出身地、北海道帯広市の郷土料理、いわばソウルフードなのだ。
豚ロースか細切れ肉を用意。時にロース3枚に、豚バラを3枚交ぜることも。
タレは自分で作ることが多い。砂糖、生醤油、みりん、酒。時にニンニクを入れる。白砂糖ではなく、やはりきび砂糖かてんさい糖を使用。とろりとした甘い味が好みだという。
「タマネギは、帯広の王道豚丼ではあまり使われないのですが、タマネギやネギって、ビタミンB1の吸収を高めて疲労回復などに役立ったり、アリシンが豊富なので、豚肉と一緒に取るとエネルギーを効率よく燃焼させたりするんです。今年勝った試合の日も豚丼でした」
あさ美さんはもともと、料理を作るのは好きだったという。モーニング娘。時代、現場で提供される弁当中心の食生活ではビタミン不足になるので、野菜料理を自炊し、お弁当として持参していた。一度体調を崩したこともあり、ベジタブル&フルーツマイスター(野菜ソムリエ)の資格を取得。結婚してからは、スポーツ選手を食事でサポートするための資格「アスリートフードマイスター」も取った。
札幌ドームで登板する時は子ども3人を連れて応援に行く。その際は出がけに料理の下準備をしておく。試合後のご褒美メニュー、すき焼きだ。
「“トマトすき焼き”が最近気に入っています。最初にお肉を炒める時に、オリーブオイルでトマトも軽く焼き目が付く程度に炒めて、そこから割り下を入れて煮込むんです。トマトに含まれるリコピンは疲労回復にもいいのですが、加熱した方が吸収率が高いそうです」
すき焼きだと緑黄色野菜が取りにくいが、これなら大きめのトマトを1~2個食べられる。さらにホウレンソウのごま和えなどの副菜を用意することもある。
鉄分がメンタルに影響
マウンドの杉浦さんを見て、今日は気持ちの面で元気がないのではないかと感じた際などによく作るのがマグロとアボカドのポキ。なぜかといえば、
「鉄分がメンタルに影響を与えることがあるようなんです。鉄分は汗をかくと不足しやすいので、食事で補います。鉄分はホウレンソウなどの植物性より、マグロなど動物性のほうがヘム鉄が多く含まれて、吸収がいいといわれています」
味付けは醤油とごま油、液体の砂糖、ビートオリゴかてんさい糖を使う。
2年前から始めた新しい習慣がある。肩や肘の故障予防を考え、「風化貝カルシウム」というサプリメントを取っているのだ。
「この2年ほどは大きなケガもなくプレーできているので、バランスのいい食事を飽きずに続けつつ、主人がなるべく肩や肘などを痛めることがないよう、現役を楽しんで続けてくれたらと思っています」
過酷なプロ野球生活を支える妻たちの三者三様の食事術。創意工夫にあふれたそれぞれのレシピは、介護食や子どもの食事など、私たちの日常生活に取り入れて応用できそうだ。
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