「シン・ウルトラマン」主役を食った山本耕史、何がすごかった? 「“2.7枚目”の役で光る」
独自の立ち位置
映画を鑑賞したライターの吉田潮氏も、
「ベビーフェイスで親近感を持たせる一方、何となく得体の知れなさを感じさせる山本は、独自の立ち位置を持っています」
としつつ、
「山本のメフィラスは、長台詞にもかかわらず不気味なほど滑らかに話すなど、人間の体温を感じさせません。観客に“こいつは有機物じゃないな”と思わせるのは難しい演技でしょうが、さすが場数を踏んでいるだけあると感じました」
そう評すのだ。さらに、
「怪獣や外星人との戦いという、基本的にはシリアスで進んでいくストーリーにあって、メフィラスがコミカルな役回りを演じていたことも、注目が集まった理由かもしれません」
そうした持ち味は映画に限らず、
「山本はテレビドラマでも、年下の同性パートナーに振り回される役どころの『きのう何食べた?』など、コミカルな演技が多い。出演中の『鎌倉殿の13人』でも、草餅を食べて腹をこわすシーンがあります。こうした“どこか格好つけきれない2.7枚目”くらいの役が、脇で光るのだと思います」
文字通り、替えの利かない存在だというのだ。