「シン・ウルトラマン」主役を食った山本耕史、何がすごかった? 「“2.7枚目”の役で光る」

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独自の立ち位置

 映画を鑑賞したライターの吉田潮氏も、

「ベビーフェイスで親近感を持たせる一方、何となく得体の知れなさを感じさせる山本は、独自の立ち位置を持っています」

 としつつ、

「山本のメフィラスは、長台詞にもかかわらず不気味なほど滑らかに話すなど、人間の体温を感じさせません。観客に“こいつは有機物じゃないな”と思わせるのは難しい演技でしょうが、さすが場数を踏んでいるだけあると感じました」

 そう評すのだ。さらに、

「怪獣や外星人との戦いという、基本的にはシリアスで進んでいくストーリーにあって、メフィラスがコミカルな役回りを演じていたことも、注目が集まった理由かもしれません」

 そうした持ち味は映画に限らず、

「山本はテレビドラマでも、年下の同性パートナーに振り回される役どころの『きのう何食べた?』など、コミカルな演技が多い。出演中の『鎌倉殿の13人』でも、草餅を食べて腹をこわすシーンがあります。こうした“どこか格好つけきれない2.7枚目”くらいの役が、脇で光るのだと思います」

 文字通り、替えの利かない存在だというのだ。

週刊新潮 2022年6月23日号掲載

ワイド特集「過去から未来への10カウント」より

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