西村康稔、高級新タマネギを周囲に配布 狙いは「維新との個人的なパイプ」?
東京・永田町は“贈り物文化”の街。毎年、お中元やお歳暮のシーズンには多くの議員が地元から自慢の品々を持ち帰り、それを秘書が配って歩く。議員会館内を行き交う台車はもはや風物詩だが、今年は自民党の西村康稔・前新型コロナ対策担当相(59)が見せた意外な気遣いが話題だという。
政治部デスクが言う。
「西村事務所の土産といえば、淡路島特産のタマネギ。過去にも与野党議員だけでなく、自民党の職員にも“世話になっているから”と、党本部に段ボールを運び込んで喜ばれていました」
兵庫県の淡路島は、西村氏のお膝元・兵庫9区の一画を占める。ここでは一年を通じて栽培・出荷されるが、とくにいまの時期は中生(なかて)と呼ばれる甘みが強い種類が旬とされる。
「時には1玉数百円で売られるブランドタマネギで、最近はふるさと納税の返礼品としても人気。西村氏はそんな高級品を、野党の日本維新の会に所属するすべての議員に届けたのです」
「どうぞお手柔らかに」
西村氏は当選7回。岸田内閣の誕生後は、最大派閥・安倍派のナンバー2である事務総長に就任し、安倍元総理の後継候補の一人として派内ににらみを利かせる。
どうやらタマネギの配布は、参院選への思惑や、地元・兵庫県の事情が絡むらしい。
「兵庫選挙区の改選議席は3で、今回は自民党と維新が首位を争い、公明党が3位をうかがっていますが、2019年の前回選挙での得票数は維新、公明、自民という順でした。維新は昨年の総選挙でも比例で兵庫県首位の票を獲得したほか、選挙区と比例で出馬した9人を全員当選させています」
そんな躍進を2度も目の当たりにした自民党は、今回の参院選に際し、一度は公明党への推薦をためらった。ホンネでは、他党を支える余裕などないのである。
「西村氏は党の兵庫県連会長の職にもある。いまも維新の勢いは衰えないだけに、“どうぞお手柔らかに”との意識が働いたのでは」
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