プーチンを震えあがらせる“高機動ロケット砲システム”「ハイマース」本当の実力
朝日新聞は6月7日の朝刊1面に「プーチン氏、武器供給に警告 攻撃対象の拡大言及」の記事を掲載した。
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アメリカはウクライナに対し、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」を供与すると明らかにしている。
朝日新聞の記事は、ロシア国営テレビがウラジーミル・プーチン大統領(69)にインタビューした内容を報じたものだ。担当記者が言う。
「プーチン大統領はHIMARSについて『何も新しいものではない』と、ロシア軍の脅威ではないと一蹴しました。その上で、最大射程が300キロを超えるというHIMARS用の長距離ミサイルも供与されたなら、『我々がまだ攻撃していない対象を攻撃するため、破壊手段を使うだろう』とアメリカに警告を発したのです」
プーチン大統領の発言は一貫して強気だった。しかし裏を返せば、それだけHIMARSを恐れているとも言える。一体、どんなロケット砲なのか、軍事ジャーナリストに訊いた。
「HIMARSのことを知るためには、多連装ロケットシステム『MLRS』の歴史を振り返るのが一番でしょう。冷戦下、北大西洋条約機構(NATO)軍はワルシャワ条約機構(WTO)軍に対し、戦車で劣勢にあると考えられていました。もしWTO軍の戦車部隊が多数、NATO諸国に侵攻してきた場合、一気に蹂躙されてしまうかもしれない。そこで大量の戦車を集中的に撃破するため、80年代にMLRSが開発されました」
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