1軍昇格の中田翔を原監督はなぜスタメンで起用しなかったのか【柴田勲のセブンアイズ】

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好調な首位ヤクルト

 リーグ戦が17日から再開した。前回のコラムで「巨人はバンテリンドームでの中日3連戦が今後に大きな意味を持つ戦いになるだろう」と記したが、いい再出発とはいかなかった。1勝2敗の負け越しだ。

 首位を行くヤクルトとは「9」ゲーム差、下にいる阪神、広島とは差が広がったもののヤクルトは負けない。8連勝、貯金22だ。
 
 追いつけない数字ではないが、かなり厳しくなってきた。これからの30試合で4ゲーム差くらいに縮めなければならない。キツイ。
 
 いまのヤクルトは先発投手陣に多少の不安があっても中継ぎ陣がしっかりしているし、打線も強力だ。主砲の村上宗隆はただいま絶好調でチーム全体を引っ張っている。

 強いな、イヤなチームだな。勝負の世界はこう思うだけで五分五分から四分六分となるものだ。21日からのDeNA戦(東京ドーム)は最下位相手に取りこぼせないし、週末のヤクルト3連戦(神宮)は今後への大事な戦いとなる。最低2勝1敗の勝ち越しが必要だ。

負け越した要因は

 しかし、交流戦からだったが巨人はここのところスカッとした勝ち方ができていない。

 19日は4点リードの9回に抑えの切り札(翁田)大勢を投入して勝ったが、高橋周平の一発は余計だった。

 打たれたのは内角のシュート気味の速球だった。左打者にとって意外と打ちやすいコースだ。打ちづらいのは外角への力のあるボールだ。この場面、外へのシュート気味の速球がよかったのではないか。攻め間違いというか、配球ミスだと思う。

 すんなり勝てるゲームをキチっと最後まで運べない。巨人の現状を表している。

 先陣の菅野智之が勝てなかったのも負け越した要因のひとつだ。菅野はコントロール重視で今季一番楽に投げていた。力一杯ではなく緩急を使って打たせて取る。新しい投球スタイルに踏み込んだと見る。

 だが「魔の8回」か。今村信貴、チアゴ・ビエイラが中日の攻撃を防ぎきれず、3安打の打線も菅野の7回無失点の好投を見殺しにした格好となった。

 エースが投げて主砲が打って勝つ。理想とは程遠い。イヤな流れを翌日に持ち越した。初回の拙攻が響いて相手に主導権を渡してしまう。一度は逆転したが追いつかれて、今度は「魔の9回」のサヨナラ負けとなってしまった。投打がかみ合っていない。

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