天台宗の座主に97歳が選出のナゾ どうやって選ばれる?
座主への長い道のり
次に待ち受けているのが、毎年、琵琶湖畔の東南寺にて開かれる「戸津説法」だ。これは天台宗の幹部など数百人を前に、法華経の功徳を説くもので、延々5日間にわたって行われる。この戸津説法の説法師に選ばれることで、ようやく座主の候補と見なされるのだという。この時点で70代、80代は当たり前。しかし、まだ道は長い。
「説法師を務めた者の中から、さらに『探題(たんだい)』という役職者が選ばれます。座主は探題も兼ねており、逆に言えば、探題の筆頭が座主ということです。僧侶としての知識・経験だけでなく、天台宗系の学校で校長を務めるなど、実務のキャリアも考慮して選ばれるのです」(同)
天台宗務庁によると、探題の地位にあるのは4人。
「座主が空席になることはないため、亡くなると直ちに『次席探題』がくり上がって就任することになっています。今の座主猊下も、先代の森川宏映(こうえい)座主がお亡くなりになったことで就任したわけです」(前出の担当者)
現在、ナンバー2の立場にあるのは、毘沙門堂門跡の前門主、叡南覚範(えなみかくはん)大僧正。95歳にして、なおかくしゃくとしているという。
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