「僕は不倫されても当然なのか」 幸せな結婚生活を暗転させた、年上再婚妻のあり得ない一言

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とつぜん泥酔して帰ってきた妻

 ふたりきりで生活するようになると、希実さんはフルタイムで仕事をし、仕事仲間やスポーツジムの友人たちとよく食事に行くようになった。 矩之さんも妻に背中を押されてジムに足を運び始めたので、夫婦同士で集うこともあり、「希実のおかげで友だちもできた」と喜んでいた。

「だけどある日、希実が深夜3時頃、泥酔して帰宅したんです。それまでそんなことはなかった。家ではお酒は飲まなかったし……。このとき、嫌な予感がしたのを覚えています。せっかく落ち着いた生活を送ってきたのに、何か大きな変化がありそうな気がして」

 矩之さんが希実さんと結婚したいと言ったころ、彼の母が言ったことを思い出した。「希実ちゃんは水商売して毎晩、酔っ払って帰ってくるんだって」と。仕事上、しかたがないだろうと彼は反論したが、「いろんな男を渡り歩いてるらしいよ」とも母は言ったのだ。もともと希実さんは顔立ちがくっきりと華やかなので、地方の小さな町では目立つ存在だった。そんな彼女が離婚して戻ってきて水商売をしているとなれば、口さがない人たちが言うことは決まっている。だから矩之さんは、自分の目で見たことしか信じなかったし、母にも「くだらない噂話に翻弄されないように」と厳しく言ったのだった。

「それなのに10年以上、一緒に暮らしてきた僕自身が、どうしてあんな噂を思い出したのか。僕の心の中に希実への不信感なんてなかったはずなのに……。ただ、フルタイムで働き、外で輝く希実に嫉妬みたいなものがあったのは確かかもしれない。彼女は男女問わず、どこへ行っても人気者になるタイプだから」

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