「日本一直木賞作家っぽくない」今村翔吾がワゴン車で全国行脚の旅に出た理由とは?

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「30歳になってからでも、夢はかなう」

 冒頭のあいさつで始まった島根県・今井書店グループセンター店でのトークショーでは、生い立ちや小説家になったきっかけを披露。大学卒業後、勤めていたダンスインストラクターの仕事を辞めて小説家になることを決意した今村氏は、当時、幼い生徒たちにこう宣言したという。

「俺が最後に君たちに教えられることがあるとするならば、30歳になってからでも、夢はかなうってことを証明してみせる」

 有言実行。晴れて作家となった彼は、狭い車内で連載小説の執筆に追われながら、今年9月24日、自著『羽州ぼろ鳶組』シリーズの主人公ゆかりの地である山形県新庄市でのゴールを目指す。

 新緑の季節とともに出発した「まつり旅」は、まだ始まったばかりだ。稲穂の実るころ、書店員からのメッセージで真っ黒になったラッピング車が見られることだろう。

撮影・本田武士

週刊新潮 2022年6月16日号掲載

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