岸田首相が周辺に漏らしている「ウクライナ侵攻」「コロナ」「物価高」「高い支持率」への考え
まったくめげていない様子
「岸田さんも当然物価高について深刻に捉えていますね。物価・賃金・生活総合対策本部の立ち上げということで、ひとまず対応しますが、具体策はこれからという状況です。一時は看板政策である『新しい資本主義』をもっと前面に出していこうと考えていたようですが、わかりにくくて世の中に浸透していないのが現状で、そのことも認識しているようでした。ただ、政策は臨機応変に変わるものだというのも持論のようで、まったくめげていない様子でした」(先の官邸関係者)
ついこの前まで所得倍増を訴えていたのに、いつの間にかそれが資産倍増にすり替わっているあたり、迷走している印象はぬぐえない。
「岸田さんの強みは、内閣支持率が政権発足からずっと高留まりしていることです。本人もそれは意識し、自信を持っているようです。その要因についてはいくつかありますが、1つに、安倍・菅という直近の政権が弱者を切り捨てて格差を拡大したという印象が強く、それとは距離を置こうというスタンスを取ることで、アンチ安倍・菅な人たちの支持を得られているのではないか……ということはあるでしょう」(同)
まだ見えぬ「岸田流」のかじ取り
「聞く力」と言うのみで何もやっていない、無策だなどと批判を浴びがちだが、高い支持率の維持が本人の支えとなっていることがうかがえる。
「これまで、党内の実力者から、岸田には任せられないと言われ続けてきましたからね。悔しい思いをしてきただけにしてやったりなところもあるでしょう。参院選でも自民党がかなり有利だと言われており、強気になっている部分があるようです」(先のデスク)
とはいえ、実のところ、まだ誰も「岸田流」のかじ取りを見たことがないのも事実だ。ここまでにも見た通り、新型コロナにせよウクライナ問題にせよ、リーダーシップを取って何かをやったという見方は担当記者らにも無いようである。
「岸田さんは15日の会見で、出産一時金について“私の判断で大幅増額”を表明していましたが、出産にまつわる費用が値上がりしてしまえば元も子もない。節電家庭にポイント還元案も浮上しましたが、これまで節電に努めていた家庭に恩恵があるとは言えないし、ポイント還元というのがセコすぎる。選挙を前にしてウケのよい政策を訴えようとした意気込みは辛うじて理解できるとしても、最終的に成立が難しそうな脆さの目立つ施策だと感じましたね」(同)
高い支持率もまた脆く、砂上の楼閣でしかないということについて、誰かから「聞く」機会はあるのだろうか。
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