「トップガン」大ヒットも、日米で「戦闘機パイロット」が不足 離職者続出で「現場はブラック企業のよう」

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後を絶たない離職者

 最新の防衛白書によると、日本の航空自衛隊に配備された戦闘機の総数は318機である。その一方で、

「空自のパイロット資格保持者は約1700名ですが、戦闘機パイロットは精鋭ぞろいで人数は多くない。バックアップ要員を含めて、戦闘機の総数の3倍から4倍、つまりわずか千名程度で、日本の空を守っているのです。なのに、特に最近は離職者が後を絶たず、防衛省も対応に苦慮しています」(前出・ライター)

 1機で約100億円もする最新のステルス性能を備えたF-35は21機を数えるが、肝心の乗り手が足りないのでは話にならない。

 先の織田氏もこう言う。

「現場はまさしくブラック企業のような状態です。スクランブル待機は24時間勤務ですが、人手不足のため、勤務明けでも帰宅できず、引き続きデスクワークを任されたりします」

 昨年度、中国やロシアの戦闘機等が日本の防空識別圏に侵入した回数は千回を超える。無論、その都度、スクランブルをかけねばならない。

 人は城であり、石垣であるとは武田信玄公の名言だが、その人が不足し、疲弊していては、国防もままならないだろう。

週刊新潮 2022年6月16日号掲載

ワイド特集「それは『機密』です」より

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