NHKが炎上する理由は「エリート意識の空回り」? なぜ時代錯誤な番組が出来上がるのか

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「NHKだから」許せない? タレントにも視聴者にもある「特別な放送局」という意識から生まれる期待と反感

 地上波放送局の中で唯一受信料を徴収するNHK。それは良くも悪くも、特別な放送局という立ち位置をとる。NHKしか見ない、と絶対的な信頼を置く人がいる一方、見ない人間からも金をとる横暴な局、と批判する人もいる。NHK側だって、民放とは違う良さを見せるというプライドとプレッシャーはあるだろう。実際にホームページでは、「なぜ受信料を払わなくてはならないのか」という質問に対し、「『ためになる』『役に立つ』“NHKだからできる”放送に全力を」と記している。

 実際にNHKスペシャルなど、重厚なドキュメンタリーの評価は高い。ニュースも芸能ゴシップなどは扱わないし、女子アナだって落ち着きがある。大河や朝ドラは常に注目を集め、民放各社がマンガ原作ドラマに走る中、「17歳の帝国」や「恋せぬふたり」など、オリジナル脚本のドラマで今の空気を切り取るのも実にうまい。

 だからこそ、「チコちゃん」や「つぶやき英語」でのノリに違和感を覚えた人が多いのだろう。「NHKだからできる」どころか、「NHKなのに今どきキレ芸?」と。フワちゃんも、自分がやりこめられて大失敗という流れは民放なら構わないが、NHKの英語番組だったからダメだと思ったと明かしている。そしてどちらの番組も、常識に欠けた若い女性を、権威ある年上女性が難癖をつけて責めるという構図だった。NHKスタッフって、いじわるな演出に面白みを感じる時代錯誤な人たちなのね、という印象も与えたことだろう。しかもフワちゃんが表沙汰にしなければ、視聴者の怒りはマナー講師同様に鳥飼教授に向いた可能性は高い。後始末までタレントにさせたという点も、リスクマネジメントの手薄さがうかがえる。騒動で表面化した反感の大きさは、視聴者にもタレントにも深く根付いた「NHKだからちゃんとしているはず」という期待の大きさをも浮き彫りにしたのではないだろうか。

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