大学選手権で躍動した“7人のドラフト候補” スカウト陣のリアルな評価は?

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捕手にも有力候補

 他の野手では、野口泰司(名城大)と石伊雄太(近大工学部)の捕手2人がアピールに成功した。野口は、昨年の大会では3試合で11打数8安打と打ちまくったが、今大会も10打数5安打をマークしたほか、亜細亜大戦では、青山からホームランを放っている。さらに、守備では。度々盗塁を阻止するなど、見事な送球を見せてくれた。

 一方の石伊は、抜群のスローイングで、2.00秒を切れば強肩と言われるセカンド送球タイムでコンスタントに1.8秒台前半をマークした。昨年秋の明治神宮大会で3打席連続三振と苦しんだ打撃も、今大会は2試合で3安打を放ち、成長した姿を見せた。若手捕手が不足している球団は少なくないだけに、ともに有力なドラフト候補となりそうだ。

 冒頭でも触れたように「1位指名間違いなし」という選手は不在だったが、昨年も大勢(関西国際大→巨人1位)が夏以降大きく評価を上げたように、まだまだここから評価が変動することも大いに考えられる。秋のリーグ戦でもドラフト戦線に急浮上する選手が出てくることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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