大学選手権で躍動した“7人のドラフト候補” スカウト陣のリアルな評価は?

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大会MVPは守備と走塁がピカイチ

 野手では、今大会のMVPに輝いた、亜細亜大のショート、田中幹也が圧倒的な存在感を示している。打率こそ4試合で打率.286でありながら、持ち味である守備と走塁では毎試合見事なプレーを見せて、キャプテンとしてチームを牽引する姿勢が光った。昨年秋は、難病の潰瘍性大腸炎に苦しんだものの、完全復活した姿に安心したスカウトも多かったことだろう。

「高校時代から守備は抜群に上手かったですが、大学でさらに良くなりました。守備範囲の広さとプレーのスピードは圧倒的だと思います。あと走塁が凄い。単純な足の速さだけでなく、常に次の塁を狙おうという姿勢と判断の良さはピカイチだと思います。病気の不安はありますけど、プロでも勝負できる武器が(守備と走塁の)2つあるというのは大きいですね」(前出のパ・リーグ球団スカウト)

 田中と同じタイプの内野手で、もう1人目立ったのが、天理大のショート、友杉篤輝だ。チームは初戦で名城大に敗れたが、ヒットと四球で2度出塁して盗塁もマーク。守備では、再三軽快なプレーを見せてアピールした。この春のリーグ戦でも10試合で10盗塁と、圧倒的な成績を残しており、そのスピードに対する評価は高い。

「田中幹也と比較しながら見ていましたけど、守備も走塁も負けてないと思いますね。天理大には足の速い選手が多いですが、友杉は、盗塁でも早いカウントからスタートが切れるところが他の選手とは違います。守備範囲が広いだけでなく、スローイングが強いです。バッティングも速いストレートに力負けせずに打ち返せたのは大きいですね。去年の秋は怪我(プレー中の接触でひ骨を骨折)もありましたけど、しっかり春に合わせて調子を上げてきたのは立派だと思います」(関西地区担当スカウト)

 田中は166cm、友杉は172cmと小柄だが、プロでは、164cmの高卒ルーキー滝沢夏生(関根学園→西武育成2位)が一軍で活躍している。こうした点は、田中と友杉にとって、ドラフト指名への“追い風”となりそうだ。

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